岩谷先生は知性派、安井さんはちょっとわがままなお嬢さん派、山口さんは母性愛に強い女性…。昭和という激動の中でしたたかに、しなやかに生き抜いた、この三者の組み合わせもよかったです。対照的でとても面白かったです。
忘れていたことや知らなかったこともありましたし、酒井さんは違う角度からのお付き合いだったので、視聴者みたいな気分ですごく楽しくて。いい番組だったと思いました。
いい歌っていうのは、同じ歌でも若い時とこの年とで詞の読み取り方が違ってくるというのがありますから、視聴者の方も、もう一度聞き直してもらうと、また違うように聞こえるんじゃないかなと思う歌が目白押しでした。味わい深い歌ばかりだなとつくづく思いました。
武田鉄矢さんは、我々と違う観点で見ているものを頭の中に入れてきているから、ほんと勉強になるなと思って。いつも感心します。(今回取り上げた)女流作詞家は一人一人違うけど、どこかつながっている何かがある。でも色気のバロメーターというか価値観、考え方、表現の仕方が違うのは聞いていてわかるんですよ。
作詞家によって、立ってる女性の姿、形、着てるものから全部変わって見えるということを、3時間の中で思いました。そういう意味では詞ってすごいなと思いましたね。
女性作詞家、岩谷時子、安井かずみ、山口洋子の3人は、最初から作詞家を目指しているわけではなかったという共通点がある。宝塚歌劇団好きの文学少女、画家を目指していたおしゃれな女子、銀座でクラブを経営していた商才ある女性とそれぞれ才能と環境が違う3人の作詞家は、昭和という激動の時代を見事に見抜くという点で輝かしかった。
女性ならではの洞察力と感性で昭和の歌謡界を引っ張った人生と数々のヒット曲をお楽しみください。
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