知英に中島健人、そして波瑠まで…映画は顔芸だ!<ザテレビジョンシネマ部>

2019/10/08 07:00 配信

映画

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』(C)小森陽一/集英社 (C)2018 映画「オズランド」製作委員会


『レオン(2017)』に比べると『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』(10月11日夜9:00 WOWOWシネマほか)は、実在の遊園地がモデルの小説を原作にしているだけに表情は決して大げさではない。

主演は、10月15日(火)スタートのテレビドラマ「G線上のあなたと私」出演でも注目を集める波瑠。彼女が演じる大手ホテルチェーンの新入社員、波平久瑠美は、不本意ながら地方の遊園地に配属となってしまい、ゴミ捨てから始まってクリエイティブな仕事とは縁遠い日々にウンザリ。そんな彼女が、上司であり“魔法使い”と呼ばれる敏腕企画マン、小塚慶彦(西島秀俊)の影響を受けて、仕事にとって大切なことに気付かされていく。

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』(C)小森陽一/集英社 (C)2018 映画「オズランド」製作委員会


波平は仕事に不満を感じてふくれっ面を見せたり、鼻息荒くツリ目気味で「クリエイティブな仕事がしたい」と小塚に抗議をしたり。かと思えば小塚がやらせていた仕事の意味を悟って眉毛が八の字になるようなしょげた表情を見せたり、仕事の魅力を知ってキラキラと輝くような笑顔を見せたり。くるくると変わるその表情は、ヒロインの気持ちの変化を見せてくれるとともに、その豊かさで観る者の心をつかむ。また、いつも穏やかな微笑をたたえて達観の境地にあるような“大人”小塚に対して、目まぐるしいまでに変わる波平の顔は、発展途中である彼女の未熟さをも感じさせてくれる。波多野貴文監督が見せようとしたエンタメ世界を、波瑠の演技が的確に表現しているのだ。

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