一方、役者たち全員がフルスロットルで演じているのは『ニセコイ』(10月22日夜9:00 WOWOWシネマほか)だ。極道一家、集英組組長のひとり息子である一条楽(中島健人)と、敵対するギャング組織ビーハイブのボスのひとり娘、桐崎千棘(中条あやみ)の恋を描く作品。もともと週刊少年ジャンプ連載のラブコメ漫画を映画化したものなので、かなりベタな展開でハチャメチャ感が強い。
中島健人は、悔しい時に顔をクシャクシャにゆがめたり、驚いた時に口を魚のようにとがらせたりと、そのハチャメチャ感&漫画感を見事に体現。彼に続けとばかりに脇役に至るまでオーバーアクト120%で振り切る感じは、もはや笑いを通り越して圧巻ともいえるだろう。こういった演技が間違いなく映画の面白さを支えているのだ。
映画ライターの傍ら演劇集団トツゲキ倶楽部で主宰、演出、脚本を手掛ける。11月13日~17日、下北沢「劇」小劇場にて「笑うゼットン―風雲再起―」を上演。
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