――以前のインタビューの際に、前日から食事を制限しているという話をしていましたが、続けていますか?
そこは変わってないですよ。前の日から食べないで、その日も本番の1食目まで食べないというのはおなかを空かせている状態で食べたいという僕本人の願望と、その方がおいしく食べられるんじゃないかっていうことで続けています。また、そのリアクションは生に近づけたいっていうことで、続けているというか習慣のようなものです。逆にこの時期は体重が減っていくんです。トータルで食べる量は減っちゃうので、コンスタントに朝昼晩、きちんと食べている方が体にはいいんですよ。
――それだけ、この番組に懸けているのでしょうか?
俳優というより「孤独のグルメの人」というふうに看板になっちゃいましたので。そこはもう、こうなった人生だと割り切って、このドラマをやるというかやり続けるということを役者生活の中心に据えるようになりました。
――これまで台湾や韓国など、海外の回もありましたが、これから行ってみたい国や食べてみたい料理はありますか?
この番組は、スタッフと僕がどこかに行けば何とでもなる番組です。極端な話、極地でもいいかなと思っています。やっぱりこの番組はアジアのお客さんが支持してくれています。アジアの方々は「あー、おいしそうに飯食ってるな」っていう姿が、どこか感情移入できるんだと思います。なので、この番組を楽しみにしてくれてる人がいる所に行くっていうことがやっぱり僕にとっては義務というか、それを一番大事にしたいなと思います。
――以前、カラオケボックスやロケバスの中でアテレコをされているというお話もありましたが、今も続いているんですか?
今日は支度部屋でやります。だから、この番組見てる人は、出来上がった映像を見ながら声を入れてるだろうって、誰もが思っていると思いますけど、それは一度もやったことがないです。自分の画を見ながら声を当てるなんてそんなぜいたくなことなんてできませんから。テレ東の深夜枠ですからね。そんなことはないっていう前提でやってたんで、もはや今もう映像見ながらやるなんて面倒くさいこと自分でもやりたくないです。
もうそんなことしなくてもいいくらい、ちゃんとモノローグの“尺”と食べてるそしゃくの“尺”を考えながらやる習性が付いたんですよ。8年もやってると、他の人がすぐやれるもんじゃないと思いますよ。これは専売特許って言っていいくらい、まねのできないことだと思います。自分のモニターを見なくても、モノローグは入るようにできてます。
――それはお芝居で食べられるときにモノローグのことも考えて?
モノローグのことは考えながら食べます。作家のぐっさん(田口佳宏)らスタッフがずっと食べるシーンの時は現場にいます。なので、ここでちょっと別のニュアンスがあったとか、辛過ぎたとか、ちょっとそしゃくに時間がかかったとか、熱かったとか、随時モノローグに入れていけるように間違いなくはまるようにできているんですよ。
――まさに専売特許というか、絶対誰もまねできない気がします。
二代目やりたい方がいたらちょっと、4回くらい密着してついて来ていただけると、そのまま引き継げるかなと。3回じゃちょっと厳しいですね(笑)。
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