ある郵便配達員が33年の歳月をかけ、たった一人で築き上げた宮殿の誕生秘話を描いた映画「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」が12月13日(金)に全国公開される。
本作は、寡黙で不器用な男が、愛娘のため“おとぎの国の宮殿”を手作りしたという実話を映画化。その宮殿は、画家ピカソや詩人アンドレ・ブルトンが絶賛、フランス政府指定の重要建造物に。今回の撮影はほぼ全編を通して、現存する「シュヴァルの理想宮」で行われた。
周囲に変人と噂されながらも、途方もない夢を実現した男・シュヴァル。この風変わりな人物を見事に体現したのは、「レセ・パセ自由への通行許可証」でベルリン国際映画祭男優賞を受賞した名優ジャック・ガンブラン。
夫を傍で見守り支える妻フィロメーヌ役は、高橋一生と短編映画「Cinder Ella(シンデレラ)~ある愛と自由の物語~」で共演したレティシア・カスタ。
監督は、パリ・オペラ座バレエ団ダンサーたちの素顔や日常を捉えたドキュメンタリー映画「エトワール」などで知られるニルス・タヴェルニエが務めた。
日々、村から村をまわる郵便配達員のシュヴァル。寡黙で不器用なシュヴァルがある日、愛娘アリスのために “おとぎの国の宮殿”を建てるという奇想天外の挑戦を思いつく。村人たちに馬鹿にされながらも、来る日も来る日もたった一人で石を運び、積み上げ続けるシュヴァルだったが、過酷な運命が容赦なく彼に襲い掛かる…。
郵便配達員のジョゼフ=フェルディナン・シュヴァル(1836-1924)が、たった一人で石を拾い集め、すべて手作業で築き上げたフランス南東部の村オートリ―ヴに現存する宮殿。1879~1912の33年間、9万3000時間を費やし完成。アンドレ・ブルトンを筆頭にシュルレアリスムの作家らに見いだされ、“素朴派唯一の建築物”と高い評価を受ける。1969年に仏政府の重要建造物に指定された。
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