村上虹郎、初共演の吉岡秀隆は「その筋の先輩みたいな感覚です」

2019/10/12 07:30 配信

ドラマ インタビュー

10月12日(土 )にNHK BSプレミアムで「八つ墓村」が放送される(C)NHK

横溝作品はシェイクスピアに似ている?


――長きに渡って愛されている横溝作品ですが、お二人は横溝作品のどこに魅力を感じますか?

吉岡:お話をいただいた時に、人の気持ちに寄り添える、運命に抗えない人たちの悲しみを背負ってしまうような金田一の方が新しいかなと思ったんです。

事件を解決して終わりなんじゃなくて、その事件によって金田一も傷つくというのは、他にはないかなと思って。

誰も救えなかったことで苦悩していく金田一によって、その事件の悲しみが浮かび上がってくれば、と思って演じていました。

横溝作品は戦後間もない、特権階級や差別が残っていた時代が描かれていますが、現在にもどこかしらにそういったことが残っているからこそ、横溝作品の怨念や血縁にまつわる呪い、たたりというものにみんな興味があるんじゃないかなと思うんですよね。そこに現代もいそうな、全うな金田一が存在する、ということが多くの方を引き付ける魅力なんじゃないでしょうか。

村上:色んな映画や作品を見ていく中で、どんなに素晴らしい作品でも何度も見ると初めて見た時の感動や感覚って薄れていくんですよね。

でもホラーって常に新鮮で怖くて…。「八つ墓村」がホラーにカテゴライズされるかというと難しいですが、そういった要素もあるなと思っています。

さらにそこに入り組んだ群像劇とお金という問題が必ずありますよね。

そんなに横溝作品を見ているわけではないのですが、日本でいうシェイクスピアみたいなものなんじゃないかなと思います。人がたくさん死んで、愛憎があって、お金が絡んで…。

僕は今年、舞台「ハムレット」に出演したのですが、人がたくさん死ぬんです。そんな中、僕はハムレットからその後の国を任されるフォーティンブラスを演じたのですが、生き残る側の辛さという面では、辰弥ととてもリンクしました。

色んな人たちの入り組んだ狂気と業、そして残った人が抱えるものを描いているという意味では似ているなと感じましたね。