本作の構想に7年掛けたという常盤司郎監督がメガホンをとる本作は、思い出の味を通して家族の時間を取り戻すヒューマンドラマ。
亡くなった父の通夜で、母が仕出し屋を突然キャンセルして「通夜ぶるまい」を披露。目玉焼きをはじめ、次々と出てくる料理に家族は戸惑うが、それは父が残した1冊のノートから作られた思い出の料理だった。それらを味わいながら、父との時間がよみがえり、家族も知らなかった秘密が浮き彫りになっていく。
そんな常盤監督について染谷は、「脚本と演出がすごく乖離しているんですよ。それが面白くて、初めての体験でした。普通自ら脚本を書いて監督をすると、脚本に沿った演出になるんですけど、それが常盤監督は、すごく客観的に演出していて、新鮮でした」と明かす。
さらに、劇中で登山にも挑戦した永瀬は、台本を読んだ際には緩やかなハイキング程度だと思っていたが、実際にはクライミングだったことを明かし、「大変だったんですよ! 頑張って登ったんですけど、とにかく食事をあまりとっていなかったので、撮影中に疲れちゃって…。皆さんにご迷惑をおかけしました」と撮影秘話を明かし、会場の笑いを誘った。
最後に染谷は、「一つの食事を通して自分の記憶を巡り、いろんな感情が押し寄せてきて、それを自分で包み込んで一歩前に出ることができる。この作品は白いパズルだと思っていて、見ていくうちにピースはそろうんですけど、そこに見える光景は皆さん一人一人、違うというか、そんな映画だと思っています」とメッセージを。
対して永瀬は、「去年、一人大事な家族を亡くしているので、演じている時と今で、感じ方が違ってくる。だから、いろんな世代の方に、さまざまな時代に見ていただくと感じ方が変わると思います。常盤監督の7年の思いが詰まっていますので、ぜひおいしく見ていただければ」と呼び掛けた。
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