日本。秩序と混沌の国。美と醜の国。過度な経済成長で得た豊かさの代償として、国民はさまざまなコンプレックスを抱えている。
醜きを覆い隠し、美しきことのように振る舞う。奥ゆかしさとも言えるその性は、この国の様式美そのものなのだ。
整形しているモデルの方が仕事が多い。駆け出しのファッションモデルが仕事欲しさに小顔矯正を決意。美容クリニックを営む美しき整顔師に小顔矯正施術を依頼し、モデルは変身を遂げる。整顔師の猟奇的哲学と万⼒によって…。
ざるそばを食べたのち、整顔師はクリニックを去り、新たな野望の地へ向かう。場末の街で美人局をするフーテンと年増。彼らと整顔師が突如遭遇することにより、物語は加速してゆく。
光と闇。主観と客観。偽善と必要悪。美と醜。我々は、万力の間で暴かれる。世は、人は、すでに醜く美しい。
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