ANARCHY監督は、「時間がない中で、楽しかったという現場に対して戻りたいか?」と尋ねられ、「戻りたくはないですね」とキッパリ。
「戻るくらいなら、新しい映画を作って、またメッセージを届けたい。この作品が音楽でいう1stアルバムにもなる作品になったと思うので、見てもらって、また次のステップに進みたい。『また映画を作りたい』という気持ちも僕の中に芽生えたので、これからも作品を作っていきたいという気持ちになっています」と語る。
優希が演じるウランは、アトムに対し生意気な態度をとる妹であり、役作りとしては私生活で弟に罵声を浴びせられることが参考になると考えたと言い、「弟を参考に役作りをして、周平に暴言を吐いていました」と明かす。
そんな優希の役作りに、ANARCHY監督は「台本にないくらいの暴言を吐いてくれましたね」と入れ笑いを誘った。
主演の野村は、現在アメリカ・ニューヨーク留学中のため、この日は登壇できなかったが、この舞台あいさつに向けてしたためていたメッセージを紹介。
メッセージでは「僕もANARCHY監督も、全スタッフも本当に魂を込めて作った作品なので、皆さんぜひ楽しんでください」と言葉を寄せながら、現在はニューヨークでラッパーを目指してリリックを書き奮闘しているとの近況を伝え、「日本に帰ったら、ラッパーとしてデビューするので、ANARCHYさんよろしくお願いします!」とコメント。
それを聞いて、ANARCHY監督は「ラッパーになることを、なめんなって」と痛恨の言葉を返しながら、「でも、(彼は)最高の俳優です、最高の演技をしてくれるし。ラップをしたらウィル・スミスみたいになるかな、彼には期待しているし、また一緒に仕事をしたい」と語る。
また、「何で不在なんだ? 主演がいない舞台あいさつで、プチパニックになっています」と野村不在の舞台あいさつの心境を語る優希は、「手紙で“ANARCHY”って4回も書いているのに、“美青”という名前がなかった。お兄ちゃん、妹に対してコメントなかったです…」と少し寂しそう様子を見せていた。
ここで、スペシャルゲストのZeebraが登場し、映画公開のお祝いとしてANARCHY監督に花束を贈呈。
「先輩が来られたら緊張しますわ」と恐縮するANARCHY監督に、Zeebraは昔ウィル・スミスが映画舞台あいさつに登壇したときのことを振り返り、「そのときにウィルはラップしてくれました。ANARCHYはどうなのかな~! さんざんやらせたのに、俺のときにはやってくれないなんて寂しいな~」とプレッシャーを掛け、会場を沸かせる。
そして、Zeebraは「ヒップホップって、例えば“Zeebraは若いうちにオヤジになった”とか、“ANARCHYは悪かった”とか、みんなそういうストーリーが楽しいじゃないですか。だから、その意味でやっぱり映画というのは、本当にそのストーリーを疑似体験できるものとして、ヒップホップにはすごく大切なもの。でも、なかなか日本ではそれを作るということを、これまでやってこれなかった。それをANARCHYがついにやってくれたということで、すごくうれしく思っています」と、ANARCHY監督を称賛。
最後に、ANARCHY監督は「自分が詰め込みたいメッセージも詰め込んだし、みんながこの映画を見て、夢がなかったとしても夢を見つけてもらったり、夢を持っている人も一歩踏み出す勇気になるような映画になったと思うので、皆さんも広い心でこの映画を楽しんでください。そしてみんなヒップホップを好きになったり、ラップに興味を持ってもらったり、一歩踏み出したり、夢を持ってもらったら、俺はこの映画を作って良かったなと思います」とメッセージを送った。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)