――M-1での目標は立てられたんですか。
速水 いや、そんな。芸人の皆さんはこれを目標に掲げてこられているんで。それに対して、僕らはいわば“新人”ですから、目標なんておこがましくて。ただ、自分たちがやり切ったという足跡は残そうと思っていました。
野津山 こんなに話題になると思ってなくて。本当は静かに出場して、静かに敗退しようと思っていたんですが、一瞬でバレてしまい、僕にとってはプレッシャーと闘う日々になりました(苦笑)。こうして取材していただくと「頑張らないと!」という気持ちになりますから。
速水 声優の仲間からも会うたびにみんなに言われますよ。「M-1、どうなっているの?」と。
野津山 速水さんは声優のキャリアが40年ありますからいいですけど、僕なんて、まだ芸歴2年半ですから、アフレコの現場にいると芸人がアフレコしていると周囲に思われています(笑)。今はアフレコされることが多いですから。
――そんな芸人の方々との交流や、好きな芸人はいますか?
速水 僕はあまりないですけど、(野津山に対して)あるんじゃない?
野津山 僕は今、中川パラダイスさん(ウーマンラッシュアワー)とアフレコ現場でご一緒させていただいています。中川さんに「M-1、出るんすか?」って聞かれたので、「(ネタ中の時間制限の)ブザーって鳴るんですか?」とか、基本的なことを教えていただきました。
速水 それにファンの方も温かくて。僕らのチャレンジを広く、大きな心でとらえてくださっています。
野津山 それから僕が好きな芸人は、“スタイル”かぶりなんですけど、NON STYLEさんです。めちゃくちゃ面白いです。あんな漫才がしたいですね。どちらかがナルシストになるみたいな(笑)。
――速水さんがボケ、野津山さんがツッコミという役割分担はどのように決まったんですか?
速水 僕はどう考えてもボケですから(笑い)。ツッコむ能力は持ってなくて、日常生活でもボケ続けてます。
野津山 普段の会話もそういう感じなんです(笑い)。
――先輩に対して、ツッコむことにためらいはないですか?
野津山 ボケたなら、ツッコまないとダメだろという。関西人としては、ボケを無視するのかという思いで、いつもツッコませていただいています。
速水 M-1に挑戦するからといって、無理してないんです。僕らは飲み仲間で、その延長線上、という感覚なんです。
野津山 飲み仲間と言ってもらえるなんて光栄です。
――普段は、お互いどんな先輩であり、後輩なんでしょうか?
野津山 芸歴40年という大ベテランの方が、こんな新人の声優とM-1でコンビを組んでくれるという器の広さと、挑戦し続ける姿には憧れます。本当に大好きな師匠です!
速水 瞬発力とスピード感を持っているんですけど、どんなすごいキレる表現をしても、根底は優しいんです。そこは、これから5年、10年と年を重ねるごとに良くなっていく声優なんじゃないかなと、弊社の代表として、とても期待しています。
野津山 うれしいですね。M-1のこと、忘れそうになりました(笑)。
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