――先ほど今作に登場する花緒里が「仕事のために自分のテリトリー以外のところにも人脈を広げていてカッコいい」ということでしたが、キャプテンという立ち位置も含め、秋元さんもいろんな分野に挑戦している印象があります。新たな領域に挑む際に心がけていることはありますか?
わたしの中で芸能界に入ってからずっと心の中にあるのは「郷に入れば郷に従え」という言葉です。アイドルの世界も最初はどんな場所なのか分からなかったけど、その世界のルールの中で、自分が思い描いていたアイドル像に近づけるように活動してみようって。舞台の現場だったら、マネージャーさんがいつもそばにいてくれるわけではないので、身の回りのことを全部自分でやらなきゃいけないんです。ですから、周りの人たちを見て「これはこうするんだ」っていうのをひとつずつ学んだりしています。
――なるほど。そうやって成長している部分もある一方で、「ここは変わってない!」という要素もありますか?
出たがりなところ、隙があればふざけたいという精神です(笑)。ファンの方から「キャプテンになったからって、しっかりしすぎないでね」という声もいただいています。ただ、キャプテンになってから、はっきり変わったと認識できる部分もあるんですよ。インタビューなどでグループについて聞かれたときに、以前はグループ全体のことを考えながらもやっぱり個人的な見解として話していました。でも今は「キャプテンがこう発言した」という風に受け取られるという重み、責任を持たなければいけないなって、より客観的な視点から発言しているつもりです。ひとつの発言で多くの人が左右されることもあるでしょうし、乃木坂の名前が知られれば知られるほど発言の影響力は大きくなりますから。ただ、責任という名のプレッシャーはありますけど、逆に影響力があるという事実をプラスにとらえて、発信したいことを発信していくべきだとも思っています。
――大きなチャンスでもあるわけですね。一方で、メンバーの井上小百合さんが来春卒業することを発表しましたが、結成時に36人いた1期生は10人になってしまいます。今回のドラマでは有能な人材を失う企業側の現実も描かれていますが、キャプテンとして今、どんなことを考えていますか?
抜けたら困る人材はすでに、本当に本当にたくさん卒業しちゃっているので(笑)…正直、焦りはめちゃめちゃあります。キャプテンともなるとグループから大切な人材が抜けたとしても、今後のグループを守り抜かなきゃいけないですし。ただ、卒業してしまったメンバーがいる一方で、たくさんの後輩が乃木坂に入ってくれています。彼女たちがみんなちゃんと育っているのがうれしいんですよ。先輩たちに遠慮して、あまり羽を伸ばせていないんだろうなっていう時期はあったんですけど、最近はもう…分かりやすいのは3期生の山下美月ですかね。だいぶ後輩なのに友達みたいに話しかけてくれますから(笑)。そうやって壁がなくなっていくのはいいことだと思います。次は4期生との間の壁を取り払って、みんなが前に出られる状況を作りたいです。
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