市原隼人、自分に“喝!”を入れたい時は「1人になる」

2019/10/28 06:00 配信

映画 インタビュー

自身の役どころや今作への思いを語る市原隼人(C)本宮ひろ志/集英社 (C)2019 浜友商事株式会社


所作を行う意味など、役作りは入念に!


――風太郎を演じる上で役作りとして何か準備したことは?

自分で調べられることは調べて、住職の方にお話を伺いました。僧侶としての所作やそれを行う意味。般若心経も覚えましたし、写経もかなり書きました。風太郎の衣装に関しても監督やスタイリストさんといろいろ話し合いながら決めていきましたし、ヒゲを付けた方がいいのか付けない方がいいのかということもディスカッションしながらキャラクターを作り上げていきました。

――都会の中にいる風太郎のビジュアルはインパクトがありましたね。

クマみたいなキャラクターの人間が現代社会に出てきて右往左往しているさまを見て純粋に楽しんでいただきたいのですが、その中で現代人が忘れかけているような核心を突いた言葉を、自分なりにすくい取って感じていただけたら幸いです。

――柴田(啓佑)監督からリクエストされたことは?

衣装合わせの時に汚しを入れるかどうかといった話になって、お互いに同じことを考えていたんです。僕も柴田さんも原作が大好きということもあり、風太郎というキャラクターに対する認識にズレはなくて。柴田さんは撮影スタッフや僕ら俳優たちを信頼してくださっていたので、自由にやらせていただきました。

とてもファミリー感が強い現場で、決してなれ合うことがなく、みんなが同じ目標に向かって進んでいる感じがとても心地よかったです。きっと、この作品がそうさせてくれたんだと思っています。

――撮影中のエピソードで印象に残っていることは?

浜松での撮影は都内とは違うゆとりがあって楽しかったですね。冬だったのですごく寒かったのですが、常に和気あいあいとした現場でした。ただ、風太郎の衣装で街中を歩くのは、ちょっと恥ずかしかったです。意外と誰にも気付かれなかったからよかったですけど(笑)。

共演者の皆さんは、こうした方がいいかな、こんな感じでせりふを言ったらどうだろうと、真摯(しんし)に自分の役と向き合っていて。その姿を見ているだけでいろんなことを学ばせていただきました。芝居をしながら、言葉はなくてもお互いに何かを感じ取れる瞬間もありましたし、とても楽しかったです。

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