徐々にスピードもボリュームもアップしていく拍手をもってアンコールへ。
どこかの雑踏に紛れこんでしまったような音が流れてきたかと思ったら、コミカルなサウンドとともに「中華街へ行きましょう」のメロディーに合わせて両手にフラッグを持った植田が再登場。ファンも同様にフラッグを手にして振り、植田に応えていた。
MCでは、アンコールに感謝を込め、バンドメンバーを紹介したり、ツアーグッズを紹介したり、先ほどの花冠の説明したり、「ワクワクを詰め込んだライブ」というコンセプトをかなえてくれた全ての人へ感謝をするとともに、お知らせとして2020年に「LAZWARD PIANO “Academic!”」を東阪のホールで開催することを発表。観客を大いに盛り上げた。
それからアンコール2曲目はピアノ・西村と2人だけでメジャーデビューの頃に作った曲だという「僕の夢」をしっとりとパフォーマンス。照明も最低限で、2人の息遣いも聞こえてきそうなほどの優しい空間がそこにはあった。
そして最後のMCへでは「植田真梨恵の5周年どうもありがとうございました。また会おうね。ラズワルドでまた会おうね」と呼び掛けてファンを沸かせ、「皆さん明日からも素晴らしい日々になりますように。また会いましょう、どうもありがとうございました」とあいさつし、いよいよ本当のラストソング。
最後もインディーズ名盤「センチメンタルなリズム」より「変革の気、蜂蜜の夕陽」だ。観客の熱気を全身で浴びるように手を広げてステージに立つ植田。声が多少かすれようとも、揺るぎなき歌うことへの熱い思い、それは一つもかすれることなく聴く者すべての耳…いや、耳を通り越してもう脳に直撃するかのごとくガンガン伝わってくる。
最後の最後まで振り絞るように歌い切った植田に、心から敬意を払いたい。
フォトセッションを終え、最初にバンドメンバーが運んできた箱を開けて中身(風船)を取り出し、自分が入って運んでもらってステージを後にするという粋なオチをつけ、これにて終幕。
安っぽいテレビショッピングのようなことを言うが、植田真梨恵というシンガーソングライターの魅力は、私ごときが書いた記事を読むより実際に生で体感した方が伝わる。
ごく昔から言われていることで「百聞は一見に如かず」。
特に発表されたLazwardPianoシリーズは彼女の歌声がストレートに響くライブなので、聞かずに後悔するなら聞いて後悔するくらいの気持ちで聞いてみてほしい。でも、恐らく後悔するはずだ…。
なぜ、今まで聞いてこなかったのかと。
取材・文=蒼野星流
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