染谷将太、食で家族がつながる物語に「食べるという行為は“生”を感じられますよね」

2019/11/02 06:00 配信

映画 インタビュー

映画「最初の晩餐」で主演を務めた染谷将太撮影=横山マサト

離れ離れになっていた家族が再び“家族になる瞬間”を、父親の通夜から葬儀までの1日で描いた映画「最初の晩餐」。通夜振る舞いの席で出された目玉焼きをきっかけに、食を通して父親との思い出が蘇り、家族も知らなかった秘密が明らかにされていく人間ドラマだ。その主演を務めた染谷将太に本作の見どころを聞いた。

シンプルなことを正直に描いた作品


――脚本を読んでの感想を教えてください。

家族や愛といった、複雑だけれどとてもシンプルなことを正直に描いた作品だと思いました。それに「家族とはこういうものです」という具体的な答えの提示がなく、説教くさくないところもいいなと思いました。

――亡くなった父親の通夜で出される通夜での食事を通して家族の記憶が蘇っていくところが面白いと思いましたが、染谷さん的にはいかがでしたか?

食事の匂いや味が記憶に直接結びつくことって、実際にもありますよね。例えば、実家のお雑煮を食べたら、すごく懐かしい気持ちになるとか。でも、この脚本を読んでいて最初に思ったのは、そこに頼り切ってないところに好感が持てました。それでいて食事が重要な役割を果たしているところも好きでした。

――食事をしながらのシーンも多かったと思うのですが、食べながらの演技は難しくないですか?

単純につながりの問題があるので、そこは大変ですが、僕は芝居で食事をするのが大好きなんです。食べるという行為は“生”を感じられますよね。僕はお芝居をすることもそれに近いものがあると思っているので、食べながらの芝居は好きですね。