役所広司、海外スターからの相次ぐ賛辞に「日本語では愚痴ってた」と照れ隠し

2019/11/04 00:00 配信

映画

日中合作映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」ワールドプレミアイベントより


ジンチュー「監督は非常に大胆だと思う」


さらに、ジンチューが「27時間ぶっ続けで撮影したシーンもあります。私は監督は非常に大胆だと思っていて…だってこの役所さんを27時間もワイヤーでぶら下げたんですよ!」とおどけると、ボーホンも「エベレストでの撮影は、アクションやヘリの操縦など準備することがも多い上、寒さによる生理的・身体的な震えなどどうしょうもないことも多く、とても過酷な現場でした。撮影スタッフや実際の救助隊は、肉体だけじゃなくメンタルもすごいんだと実感しました」と同調した。

もともとファンだったという役所について、ボーホンは「プライベートでは優しく穏やかですが、(本読みで)セリフを読んだ瞬間にまとう空気が“鬼隊長”に変わり、僕たちを一瞬でエベレストに連れて行ってくれました。5分の長回しのシーンでも、役所さんだけリハーサルの段階から台本を持っていなくて…その瞬間、僕の中で神になりました」と尊敬のまなざし。

いち観客として作品を見た感想を「悪魔のようだった隊長の優しい姿、1つ1つミッションをクリアしていく姿、アクションもすごくて複雑な要素がうまくまとまっていて感動しました」と語った。

日中合作映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」ワールドプレミアイベントより


ジンチューも「常々言っていますが、役所さんは目がすごい、すご過ぎる! 瞳の中に疑いや絶望や自愛も含まれていて、笑顔を見せられるととろけるようになってしまいます。

日本語と中国語で演技しましたが、役所さんの演技に引っ張られて高まることができました。演技が高まると、言語は関係ないんだと実感できた貴重な体験でした」と振り返った。

この作品で初メガホンをとったユー・フェイ監督は自身も登山家。映画とエベレストと、好きなものが融合したこの作品に並々ならぬ思いがあるようで「日本、中国、カナダと、とても多くの国の方々と協力して出来た作品。愛のために人はどれほど遠くまで行けるかがテーマです。

観客の皆さんも夢と理想がかみ合わない現実を思ってそれでもと思う夜ふけがあるはず。失敗しても人生は続いていく。これを見た観客が何かを感じてくれることを期待しています」と熱弁を振るった。

日中合作映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」ワールドプレミアイベントより


テレンス・チャンPは「この企画を受けるかどうか最初は迷ったけど、監督の才能と誠意と才能に動かされました。ジャッキー・チェンのアクションチームも協力してくれ、感情豊かな監督、そのパーソナルと3人の役者の化学反応で高みに到達し、スリリングでありながらだけど感動的でエモーショナルな作品になりました。

以前から役所さんのファンでしたが、想像より素晴らしい。ジアンを鮮やかにキャラクター化してくれ、感謝しています」とか語った。

終始褒められっ放しの役所は、うれしそうに照れながら「皆さん僕のことを『愚痴一つ言わず』なんて褒めてくれましたが、日本語で言っていたから分からなかったのだと思います(笑)。

多言語が集まって大変な現場でしたが、最終的には映画という言語で素晴らしいコミュニケーションができたと思います」としみじみ。

「いろんな国の人がフェイ監督の初作品のために力を尽くしました。僕も参加できて本当に幸せです。ぜひ劇場でご覧になってください」と力強くアピールした。

日中合作映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」は、11月15日(金)より全国公開。