――今作は10回目の単独ライブ。同じ節目で言えば、今年が結成10周年。どんな10年でしたか?
金子:同期の芸人がどんどんいなくなっていくので、10周年を迎えられるコンビって少ないんですよ。続けたかったけど、辞めざるを得なかった芸人がいっぱいいるので、そういう意味で続けられたのは感謝ですよね。
阿諏訪:楽しいことを、人生で一番長く続けたので、辞めずにこられて良かったなぁと思いますね。
金子:振り返るのはおじいちゃんになってからすることで、今はまだやっているからムズいよね? 何かを成し遂げたわけじゃないから、別に。
阿諏訪:そうね。でも、ネタに関しては「キングオブコント」に出たことで、好きなことをできるようになったとは思う。
金子:たしかに。以前は(KOCの持ち尺である)「4分ネタを作らないと!」って縛られていたけど、今は4分ネタなんて皆無(笑)。そりゃあ、やっていて楽しい。全国ツアーをやれるようになって、お客さんに笑ってもらえるネタをプロとして作ろうと思えるようになったのも、「キングオブコント」があってこそ、です。
――来年はどんな年にしたいですか?
阿諏訪:遊んで暮らす(笑)。
金子:それで評価を得て、夏のツアーがなぜか埋まって、DVDが出る(笑)。
阿諏訪:まったく同意です!
金子:基本的にね、僕らは体育会系じゃないので、目標を立てて突き進むことが向いていない。なるべく楽をして、家でポテトチップスを食べて、コーラを飲んでいたいので、そうするための最小限の努力は何だ?ってところだよね(笑)。一番少ない運動量を計算して、部屋の中で何ができるか。
阿諏訪:今が楽しいからね。ラジオ(「うしろシティ 星のギガボディ」毎週水曜夜0:00-1:00、TBSラジオ)でパーソナリティーをやらせていただいていて、DVDも毎年出させてもらえて。
――ラジオは聴いています。面白いし、ファン層が拡大したのではないかと思います。
金子:おじさんも聴いているし、会場にまで足を運んでくれるのは、だいたいラジオの人。
阿諏訪:そうね。テレビで見ている人よりラジオを聴いている人の方が熱は強い。「リスナーです!」って言ってくれる人も増えたし。
金子:テレビの紹介では、「女子高校生に人気の!」とか言ってくれるけど、うそでしょ?って。最近見てないぞ(笑)。
阿諏訪:いうても、僕ら10年やっているんで、女子高校生だった人たちが社会人になったからね。
――では最後に、本作の魅力を教えて下さい。
金子:漫画みたいなネタが多いので、漫画を読む感覚で、途中で止めてもいいし。何かを伝えたいということはないので。
阿諏訪:ないです! 学べるものなんか一つもない(笑)。
金子:メッセージ性が強いものだと、受け取る側も覚悟を決めて見ないといけないけど。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見るとなったら、グッと腹に力を入れるけど、これは何もないので、暇でやることがないから、時間を捨てたいという方は…。
阿諏訪:今すぐ、時間を捨てに来てください(笑)。
金子:そういう意味では、ぜいたくですよ。皆さんの貴重な時間を無駄にするというぜいたく。そのお供に、ぜひ。
文=伊藤雅奈子
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