――演じられた亮太の印象をお聞かせください。
率直に普通の子だなって思いましたね。夢に破れて大牟田に帰るところから物語が始まるのですが、やることがないけど、すぐに働かなきゃという感じでもないし。焦燥感に駆られているわけでもないし。悶々(もんもん)とした日々を送っているんですけど、でも憂いていないんですよね。
良くも悪くも親を頼って帰るところとか、「何とかなるっしょっ」という気楽さがありますよね。それに周りに流されやすい性格なんだと思います。僕もそういうところがあって、いい影響も悪い影響も受けやすいんですよ(笑)。でも僕は人見知りしないし、ハキハキしゃべるし、タイプは全然違いますね。
――撮影では、CGなしで直接、動物と触れ合ったということですが、いかがでしたか?
舞台となっている大牟田市動物園が動物福祉に特化した動物園で、映画に出てくるそのままなので、撮影時も動物たちにストレスを与えないようにしていて。動物たちにとっては、僕らが(自分たちの家に)入って来て、普段とは違ったことや嗅ぎ慣れないにおいがしていたと思うので、まずは僕らの存在を動物に慣らすことから始まりました。
僕はクランクインする2、3週間前から動物園に行って、クランクインしてからは時間があるときはずっと行っていました。掃除をしたり餌をあげたり、少しずつコミュニケーションをとっていました。
――印象に残っている動物は何ですか?
キリンです! すごく人懐っこくってかわいいんですよ! 僕が掃除をしていたら、「何してるんだろう?」って見に来てくれたり、頭を下げて鼻でトントンと突ついてくれたり、すごくかわいらしくて、ずっとなでなでしていました(笑)。
――飼育員を演じて、何か発見はありましたか?
幼い頃の飼育員さんのイメージって、優しい人というイメージだったんですけど、今回、飼育員さんの仕事を体験して、「命と向き合っているスペシャリスト」だなと思いました。生と死を日常で感じる職業だからこそ、動物が死んだときもショックを受けるというのとも違って、受け入れる体制がちゃんとあるんだなと思いました。
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