――エンディングで、ディーン・フジオカさんが歌を歌われていますよね。
当社の社長がサイレント映画にもかかわらず主人公の2人が愛を交わす歌を入れたいと言い始めまして…。それだったらエンディングやプロモーションビデオで使うとか、映画と切り離したところでやった方がいいのではないかと提案して、エンディングに落ち着いたというわけです。うちの社長もやりたいことが多すぎて、制止するのが大変なんです(笑)。
――映画のタイトルの「エンジェルサイン」は、先生の作品「エンジェル・ハート」を彷彿させますね。
意図したわけではなかったのですが、絵コンテやVコンテを制作している途中で、“奇跡が起きる兆し”を“エンジェルサイン”と言うという話が上がりました。タカヤが作曲した曲もその流れでAngel Signという曲名になって、気が付けば映画のタイトルも「エンジェルサイン」になってました(笑)。
――マンガを描く時に映画を参考にされる場合はありますか。
音がないのに音を感じさせ、登場人物が実際にしゃべっているわけじゃないのにしゃべっているように感じさせるように描くのがマンガです。ですからすべて備わっている映画をマンガを描く時の参考にすることは殆どありません。
――今回、実写映画の初監督をされましたが、映画はよくご覧になられますか。
映画は好きでよく見ます。特にマンガでは表現できないような作品が好きですね。高校生の時に見た「ウエスト・サイド・ストーリー」には衝撃を受けました。戦いのシーンを歌とダンスでやってしまう斬新さがすごく気に入りました。「2001年宇宙の旅」も好きな作品の一つです。
――「シティーハンター」のリョウと香のキャラクターはどこから生まれたんですか。
僕も改めて考えましたが、原点は子供の頃に見ていたテレビドラマの「素浪人月影兵庫」や「素浪人花山大吉」ですかね。時代劇の近衛十四郎と品川隆二のコンビがリョウと香じゃないかと思っています。特に時代劇が好きというわけではないんですが、あの作品は好きで見て再放送も見ていましたね。意識はしていなかったのですが、少なからず影響を受けたのかもしれません。
――北条作品のギャグや笑いの原点はどこからきていますか。
テレビアニメの「トムとジェリー」かな(笑)。
――最後に映画を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
静かで叙情的な作品です。美しい映像といい音楽で、いい夢が見られると思います(笑)。
ほうじょう・つかさ●1959年生まれ、福岡県出身。1980年に「週刊少年ジャンプ」に掲載された「おれは男だ!」でデビュー。「キャッツ・アイ」、「シティーハンター」「エンジェル・ハート」等を執筆し、多くのファンを魅了する。
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