2019/11/07 18:45 配信
――舞台「愛害~12の本性~」のキャストは、堤下さんが個人的に親しい役者さんを選ばれたのでしょうか。
堤下アツシ:親しい人というよりは、応援したい人、という感じですかね。僕が去年の暮れに、「悪夢のエレベーター(~新宿2丁目Ver~)」(2018年12月)という舞台で主演を務めさせてもらったときから、映画「ルーツ」で渋谷さんと出会うまでの間、僕が出会った人たちの中から、ちょっと生意気な言い方ですけど、「花が咲けばいいな」って思う人たちに、声を掛けさせてもらいました。
――渋谷さんは、今回のキャストの皆さんと面識は?
渋谷悠:実は堤下さんと大村仁望さん以外、誰も存じ上げなかったんですよ。でも、だからこそ、演出のしがいがあります。例えば映画だと、演技が拙い役者さんがいても、画を引いたり、その人じゃなく、その人の話を聞いてる方の人物にカメラを向けたり、逃げる方法はいろいろあるんですね。でも舞台というのは、一度始まったら逃げ場がない。何も隠せないから、その分、演出家としてはやりがいがあるんです。
――小劇場の役者さんだけでなく、幅広い人選となっていますね。8月に元AKB48を卒業したばかりの後藤萌咲さんなど、ちょっと意外な気がしました。
堤下:萌咲ちゃんは、前から「舞台をやりたいです」っていう話を聞いてたんですよ。倉田瑠夏ちゃんも、僕がファンだったアイドリング!!!というアイドルグループにいた子ですけど、彼女は逆に、アイドル時代から舞台をずっとやってきている子で。
演劇畑の役者さんでいうと、田中尚樹は劇団そとばこまちのエース。僕とは、吉本新喜劇の佐藤太一郎がプロデュースしている「お母さんいません」(2019年8月)という舞台で共演しました。長瀬貴博、保土田充は「悪夢のエレベーター」で一緒だった役者さんです。
渋谷:よくも悪くも寄せ集めのメンバーではあるんですけど、その寄せ集め感が、“いろんなバックグラウンドを持った人々が一つの場所に閉じ込められる”という今回のストーリーにマッチするんですよね。出自も考え方も全く異なる人間が、共通の問題に直面することで結束していく。舞台俳優から元アイドル、そしてお笑い芸人と、バラバラな人たちが集まるからこそ生まれる面白さを最大限に引き出すことも、今回の僕の大事な仕事だと思っています。
堤下:それと、今回のキャスティングは、萌咲ちゃんや瑠夏ちゃんを応援しに来たお客さんが、「あれ、この役者もいいな」って思ってくれたり、そういう化学反応が生まれるんじゃないかっていう期待もありますね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)