――「介護疲れ」など、介護にネガティブなイメージを持つ人も多いと思いますが、実際に介護に携わる上条さんはこの問題についてどうお考えですか?
上条:介護のネガティブなニュースがたくさんありますが、介護が問題なのではなく、介護を取り巻く環境が整っていないことが問題なのだと思います。専門職や家族だけが関わるのではなく、関係ない人たちがさまざまな形で関わりを持ち、関係者になっていくことが大切だと思います。
――実際に番組で取り上げてほしいことはありますか?
上条:いっぱいあります(笑)。あれもこれもになるのですが、多かれ少なかれ高齢になったり、障害を抱えると、「人生を諦めなきゃいけないのではないか?」とイメージする人が多いと思います。私が今まで出会ってきたご利用者の皆さまからも、人生を諦めるような言葉をたくさん聞いてきました。
だから、そのイメージをみんなで考え直す機会が作れればいいのかなと思います。車椅子になっても認知症になっても働けるし、人生を楽しめるというような。
障害を抱えた時、高齢になった時、私たちはどんな人生の楽しみ方ができるのか、皆さんと一緒に学べたらうれしいです。人生を諦めなくても済むようなコツや知恵を一緒に学べたらといいなと思います。
――要さんは、おばあさまの介護をされる中で、介護の良い面を見ることはありますか?
要:僕自身はあまり携わっていないのですが、施設に寄った時に、認知症の症状が進んでいて、僕が行っても全く覚えていなかったことがあったんです。
でも、1時間くらい喋って、最後に「なんか懐かしい気がするわ、あなたと喋っていると」と言われたんです。自分が元気にさせるつもりだったのに、その言葉で僕がすごくうれしくなって、行ってよかったなと思いました。
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