――一夜明けて、今の心境・体調はいかがでしょうか?
井上「やっとこのトーナメントが終わったな、という感じです。正直ほっとしているし、一息ついたなという気持ちでいっぱいです。ただ一睡もできていないので眠いです。眠いんですけど、アドレナリンがでていて寝られないという不思議な感覚ですね」
――心地よさなどは感じていますか?
井上「もう心地いいですね。やっと世界戦をやれた、ボクサーになれたという感じです。この傷がまたうれしいというか、なんだか変な気持ちです」
――(試合を振り返って)2Rにドネアの左フックで右目上を切った瞬間はどう思いましたか?
井上「眼球が少しダメージを負って、ずっとぼやけて見えるというか、ドネアが二人いるように見える状態で最終ラウンドまで続いてしまいました。やむを得ず左を使ったポイントアウトという作戦に切り替えるしかなかったです」
――9Rには、ドネアの強烈な右ストレートを浴び、かなりダメージがあったと思いますが。
井上「正直、あのパンチは効きましたね。でもそれを持ちこたえられた一つの理由は、息子の存在が本当に大きかったです。あのバチンと一瞬効いた瞬間に、息子の顔が一瞬よぎりましたね。(ボクシング人生で)こんなことは初めてのことでした」
――12Rを戦い終えてドネアと抱擁をかわしていましたね。
井上「あれがボクシングの醍醐味というか良さかなと思います。自分はドネアを尊敬してこれまでやってきたというのもあるので、試合が終われば関係なく称え合いました」
――試合後の反響も大きかったと思いますが。
井上「感動したという声もすごく聞こえてきますし、それは対戦相手がドネアだったからこそ、だと思います。ドネアでなければここまで感動的な試合にはならなかったと思うので、ドネアに感謝の気持ちでいっぱいです」
――今後ボクサーとしてどこを目指していきたいですか?
井上「ここまできたら、最強を証明していくだけです。残りバンタム級で何試合やるかわからないですけど、そこで充実した試合をしていきたいです」
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