――脚本を書く際に心掛けたことはありますか?
“寅さん”って実在ではないけれど、みんながなんとなく知っている人ですよね。そういう人の少年時代を僕が考えていいのかなというのはありました。
また、テレビドラマなので「男はつらいよ」シリーズを知っている人が見ても、あまり知らない世代の人が見ても面白くないといけないということが大事なのかなと思いました。
――「男はつらいよ」シリーズを知らない方にも楽しんでいただくために、具体的にどのようなことに気を付けて執筆したのでしょうか?
基本的には物語の強さを信じるしかないのですが、「この子があの人になるんだ」ということを楽しむだけではなく、一人の男の子の誕生から家出するまでを当時の家族の物語として、特に“母と息子の物語”として描けば知らない人も興味を持ってもらえると思いました。
そして全く知らない人が最終回で家を出ていった寅ちゃんを見て、「男はつらいよ」を見てみたいと思ってくれたら幸せです。
――反対に「男はつらいよ」シリーズを知っている人が楽しめる部分を教えてください。
基本的には「男はつらいよ」シリーズとつながるように作っていますし、映画シリーズが好きだった方がクスっとなるようなことも散りばめられていると思います。ただそれが内輪受けっぽくならないように、知らない人が見ても楽しめるようにしたいなと。
逆に映画シリーズには真央ちゃん演じる光子や毎熊(克哉)さん演じる平造は登場しないので、「そうだったんだ」と思ってもらえるとうれしいです。
――岡田さんが感じる「男はつらいよ」シリーズの魅力を教えてください。
お芝居ですね。起こることはそんなに大きなことではないですし、言ってしまえばおなじみのことをやっているわけですが、そこを楽しんでいるという感じがありますよね。
だから今回も(寅次郎の家である団子店の)くるまやでの役者たちの芝居を書きたいなと思ったし、そこでの人間模様が見ている人の心を打つのではないかなと。大人なのにけんかしちゃったり、適度にみんなダメな部分があって含めて楽しいですよね。
1話を見てそれは表現できたのではないかと思いますし、やはり真央ちゃんは素晴らしいと思いました。
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