――「冴えカノ」では松岡さん演じる倫也は、ゲームの制作に青春を懸けているオタク高校生ですが、松岡さんご自身は、ゲームはお好きですか?
松岡禎丞:はい、子どもの頃からいろんなゲームをやってきました。スマホのゲームも含めて、基本的にジャンルはRPGが好きで、「ドラクエ(ドラゴンクエスト)」や「FF(ファイナルファンタジー)」シリーズは、オンライン版以外は全作やりましたね。
ただ、最近はRPGでのレベル上げがちょっと苦痛になってきてしまって(笑)。レース系とかアクション系とか、短時間で一つ終わるものをするようになりました。今は「モンスターハンターワールド:アイスボーン」をやっています。
――今回の劇場版では、恵と一緒に大事なゲームを作っている倫也が、自分たちの作業もギリギリな中、澤村・スペンサー・英梨々(CV:大西沙織)と霞ヶ丘詩羽(CV:茅野愛衣)が開発に関わっている大作ゲーム「フィールズ・クロニクル」の完成を手伝うことを決めて、恵とケンカをしてしまいます。とても印象的なシーンですが…。
松岡:あれは倫也が悪いです!(笑)
確かに、詩羽先輩と英梨々の2人が大事だというのも分かるんですよ。恵にしたらどうでもいいことかもしれないけど、「フィールズ・クロニクル」という、「ドラクエ」や「FF」のように続いている大作が、このままだとクソゲーになってしまうかもしれない。ファン心理で言えば、シリーズが進んでいくにつれて「次回作はどうなるんだろう?」という期待感を持つことも、ゲーム好きとしてはすごく分かるんですけど…。
その前に倫也、「おまえはまずやることがあるだろう」と(笑)。「今の状況、分かってる?」という。前みたいに、間に合わなくなりそうなところで、どうにもならなくなるかもしれないよ、と。あのシーンは、恵の気持ちを考えると、すごく胸が痛くなるシーンでしたね。
――そんな危機を乗り越えて、倫也と恵の恋模様も、彼らを巡る人たちの物語も、とてもいい形で終幕を迎えました。
松岡:いや〜、理想的でしたね、あの結末は。あと、ストーリー全体を通して見て、改めて思ったのは、紅坂朱音(CV:生天目仁美)という人間が、どれだけ blessing software(倫也が立ち上げたサークル)の、倫也たちのケツを叩いたかというところですよね。
紅坂って、ダメなものはダメ、いいところはいいと、本当にストレートに物を言うじゃないですか。彼女は、プロのクリエイターとしての心構えを、アマチュアである倫也に教えてくれたわけですよね。もし倫也が紅坂と出会っていなかったら、多分blessing softwareは、同人サークルのままで終わっていたのかなと。
だからこそ、途中で倫也は、ある意味で恵を裏切るような行動を取ってしまいますが、それでも、前には進んでいるんですよね。下手をすると、あそこで恵との関係は終わっていたかもしれない。彼女から、最後通告のように「あなたのメインヒロインにはなれないよ」と泣きながら言われてしまっていましたから。だけど、それでも2人はどんどん前に進んでいった。だから結果的には、元の鞘に収まったんだと思います。
しかも、タイトルロール後の最後のシーンでは、名だたるクリエイターへと成長したみんなが同窓会のように集まっていて、倫也と恵はゲーム会社の社長と副社長になっている。このシーンを見ていて、「ここまで長かったなぁ」としみじみ思いましたね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)