Thinking Dogsインタビュー(後編) 「バンドとしての遊び心を出した“挑戦”の曲になった」

2019/11/20 17:00 配信

音楽

11月15日(金)より全国にて公開される映画「恐怖人形」。差出人不明の招待状によりキャンプ場に集められた男女が、怨念を吸い取り巨大化する謎の日本人形に襲われる姿を描いたホラー作品で、日向坂46小坂菜緒が初主演を務めることでも話題となっている。

今回、映画の主題歌を務めたロックバンド・Thinking Dogsにインタビューを敢行。後編では、先日リリースされた楽曲の制作の裏側や、全員が作詞や作曲を務める彼らの作風の違いなどについて語ってもらった。

11月6日にニューシングル「SPIRAL」をリリースしたThinking Dogs(左からわちゅ~、TSUBASA、大輝、Jun)撮影=永田正雄


カップリング曲も意欲作!


――11月6日にリリースされた「SPIRAL」には、カップリングとして2曲収録されていますが、それぞれの楽曲についても教えてください。

わちゅ~:2曲目の「光」はバラードになっているんですけど、僕らはフリーライブをする時にアコースティック形態でやることが多くて。ただ、それをメインにした曲って実は今までなかったので、そのムードを出すために、JunさんのアコギをバックにTSUBASAがオンリーで歌うっていうことに、今回新しく挑戦しました。この曲の歌詞は大輝が書いてくれて。

大輝:テーマとしては、みんな誰しも生きている中で「嫌だな」とか「辛いな」っていうことが少なからずあると思うんですけど、そんな中でも誰か一人「この人がいてよかったな」って思える人がいるはずで…、という歌詞です(笑)。ざっくり言うと、大切な人の存在について歌った曲ですね。

わちゅ~:そうしたテーマを、天気をからめて表現してくれたというのがすごく斬新で。僕は見ていて楽しかったですね。3曲目の「equation」は、バンドとしての遊び心を出したいなと思っていて。僕らとしても挑戦の曲だったんですけど、すごく裏のリズムを生かした曲になっています。

この曲を作る前に、メンバーにそれぞれどういう演奏をしたいかって聞いていったんです。Junさんだったら、「(ギターの)チャカチャカしたカッティングを効かせたグルーヴィーな曲がほしい」とか、大輝だったら「(ドラムの)“キメ”が多い曲がほしい」といった意見があったので、それを念頭に作っていきました。

メロディーを作った段階でTSUBASAにも「どうやったら歌いやすくなる?」とか相談して、本当にメンバーと一緒に作っていた感じのある曲ですね。

“リズム隊”同士ならではの楽曲制作のメリットとは?


ベースのわちゅ~、ドラムの大輝のコンビで作った楽曲は、TSUBASA&Junコンビの曲とは正反対!?撮影=永田正雄


――この2曲はどちらも作詞が大輝さん、作曲がわちゅ~さんというコンビですが、いわゆる“リズム隊”のお二人で曲を作られるというのは、他のバンドでは比較的珍しいようにも思います。このコンビならではの良さを感じる部分などはありますか?

大輝:あ~、どうなんだろう?

わちゅ~:メンバーの中では、実は大輝と僕の聞いてきた音楽って近いところがあるんです。お互いメタルまで通っていたり、逆にJ-POPのメロディアスな歌モノ、それこそ女性ボーカルの曲が好きだったり共通点が多かったので、お互いに「どういう曲が欲しい?」というのをゼロから相談して「こういう曲やろうか」って形にしやすいというか。

しかも、やっぱりドラムとベースなので、本当にベーシックな部分から詰めていくことができるので、そういったところは作りやすいですね。僕らが自由に作っても、JunさんとTSUBASAがさらにカッコいいものを乗せてくれるので、いい意味で楽ですね。頼れるというか。

大輝:やっぱりお互いリズム楽器なので、確かに曲の基盤を作るのは早いかなと思いますね。Thinking Dogsって、曲を作るとなるとTSUBASAくんとJunさんのペアか、わちゅ~さんが作ったものを僕が一緒にアレンジしてっていう、この2パターンなんですけど、結構出来上がった曲が正反対だなと思っていて。

僕とわちゅ~さんが作る曲は、リズムがカッチリ決まった上にメロディーや歌を乗せていくっていう作り方なんですけど、逆にTSUBASAくんとJunさんの曲はメロディーが先行であって、そこにリズムを付けたりギターを重ねたりっていう作り方なので、リズムの作り方が全然違うんです。そこはバンドの曲がバラエティーに富んでいることに繋がっていると思います。

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