「役者が輝く究極の大衆演劇を」 平野良、初演出舞台「BIRTHDAY」開幕

2019/11/28 20:57 配信

芸能一般

平野良(後列左)が初原案・演出を手掛ける舞台「BIRTHDAY」が開幕


俳優・平野良が原案・演出を手掛ける舞台「BIRTHDAY」が、11月27日、東京・新宿のこくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて開幕。初演前には公開稽古と記者会見が行われ、平野のほか、主演の宮河慶信、谷佳樹鷲尾修斗反橋宗一郎オラキオらが登壇し、意気込みを語った。

勝ち続けなければ“終わる”


本作は、舞台、ミュージカルで活躍する平野が初の原案・演出に挑んだ完全オリジナル作品。お互いの素性も知らないまま、ある場所に集められた10人の男子に訪れる試練。「勝ち続けなければ“終わる”」という唯一の事実のもと、脱落者にならぬため、それぞれが試練に立ち向かっていく。

互いの素性は知らず、何も分からぬまま集められた10人の男子に、生き残りを賭けた試練が降りかかる


平野は、「究極の大衆演劇みたいなものを作れたら。それぞれのキャラクターや魅力が出せたらと思っていたが、今回は存分に出せているのではないかと感じています」と仕上がりへの手応えを語り、「内容はネタバレになるのでお話しできないが、公開稽古の写真を見て、『こうなのかな、ああなのかな』と想像して楽しんでいただければ幸いです」と、自信の笑みを浮かべた。

主演の宮河は、本舞台がデビュー作になる新人俳優。「初オーディションで、初舞台で、初主演。いろんなことが初めてで、分からないことばかりでした。皆さんにいろいろ教えてもらい、ここまで形にできました。いろいろな方に見てもらいたいです」と、緊張を見せながらも力強く語る。

そんな宮河の演技について平野は、「ピュアの具現化、心を救うような透明さがあります。初お芝居なので粗削りですが、それを凌駕する存在感がある」と評した。

協力して残っていくのか、自分だけが残るために動くのか。男たちはさまざまな想いを胸に、目の前の試練に立ち向かっていく


「平野の演出のすごさとは?」という質問に、反橋は「『こうしたらどう?』の『こう(マイム)』がうますぎる。役者が落ち込むぐらいうまい」と笑いを誘い、谷は「良くんが今まで培ってきた技法や演技法を、惜しみなく僕たちに与えてくれます。『今までの平野良を丸裸にしちゃいました』みたいな感じです」とコメント。

また、役者としても活躍する芸人のオラキオは、「約1カ月弱の稽古の中、『言っていることが分からない』という愚痴もなく、前にしか進まない稽古は初めてでした」と、稽古期間のことを振り返った。

【写真を見る】セットを使わず、役者の体だけで演出した舞台。ミステリー風の物語が展開する


四方を観客に囲まれる形で配された劇場中央、真四角の白い舞台。そこに、男たちが一斉に走っていくと物語が幕を開ける。お互い誰も知らず、どこか分からず、右往左往する男たち。何のためにあるのか分からない椅子、どこにつながっているか分からない穴。突然水の中で泳ぐ羽目になり、何かに追い掛けられ、走る。そして、少しずつ脱落していく男たち。

限られた空間の中で、体だけで表現していく、男10人の汗と鼓動が間近に感じられる作品だ。

舞台「BIRTHDAY」は、東京・新宿のこくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて、12月1日(日)まで上演される。