――まずは、脚本を読んだ感想からお伺いしたいのですが…。
三浦:最初に思ったのは「何だ、これ?」ですよね(笑)。ト書きに“首が飛ぶ”って書いてあるんですけど、全く想像つかない。これは、どうしようかなと。
――これまでの作品では見たことがないト書きだったわけですね。
三浦:(顔半分がカメラになっている作品のチラシを指して)文字でこの状態が書かれていても、よく分からないじゃないですか。確か“カメラ男”っていう表現だったのかな?
成海:そうそう(笑)。
三浦:どうやって演じたらいいのか困りました。
成海:私も同じような感想でした。これは、かなり賭けではあるなと(笑)。ただ、映画が好きなんだという主人公のエネルギーは強く感じました。
自分の役どころも前半はじっとしているけど、後半“覚醒”してからがなかなか面白い。ちょっと乗ってみようかなという気持ちになりました。
三浦:全体的にはホラー。でも、途中で壁ドンがあったりして(笑)。何が何だか分からないんですけど、青春ものとしてストーリーが展開していくところはいいなと思いました。
――三浦さんは助監督の黒沢明、成海さんは女優の渡良瀬真菜。それぞれ、自分の役に対してどのようにアプローチしたのですか?
三浦:僕は比較的やりやすかったです。いろんな現場で、さまざまなタイプの助監督を見ていますから。黒沢のようなと言いますか、撮影中にいなくなることがあるんですよ。
――助監督さんが?
三浦:そうです。1年に1回ぐらいそういう現場を見ているような気がします(笑)。でも、黒沢はそこを何とか踏ん張って生きているような人間なんでしょうね。
――身近にヒントが転がっていたわけですね。
三浦:あとは「スペースバンパイア」(1985年)とか、黒沢が好きだという設定の映画を見ました。普段ホラーは見ないんです。ビビリだから(笑)。見たことがある作品は「リング」(1998年)ぐらい。だから「こういうものがあるんだ」って新鮮な気持ちで見ていました。
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