“より上質な観劇”を提供することを目的に行われる“舞台業界初”の取り組み、「サイレント上演」、「15分前到着割」が話題を呼んでいる。
実施するのは、現在27歳のタカイアキフミが主宰・作・演出を務める個人ユニット「TAAC」(読み:たーく)。両施策は12月25日(水)~30日(月)に下北沢・「劇」小劇場で上演する「だから、せめてもの、愛。」で行われる。
TAACは、「妥協なく創造・共創する集団」として2018年に大阪で立ち上げ、同年4月の第1弾公演「正義姦」では関西小劇場としては異例の2週間のロングラン、9月に第2弾公演「を待ちながら。」では七味まゆ味(柿喰う客/七味の一味)と山崎彬(悪い芝居)の二人芝居を東京・大阪2都市で上演するなど注目のユニットだ。そして第3弾公演となる「だから、せめてもの、愛。」で本格的に東京進出を目指す。
そんな彼らが過去2公演でも行っていた「15分前到着割」は、全ステージ定刻開演を目指し、『開演の15分前に到着した方に100円キャッシュバックする』というもの。さらに第3弾公演で初めて実施する「サイレント上演」は、携帯電話による上演の妨げゼロを目指し客席内での携帯電話の使用は一切禁止するため、『客席入場の際の電源オフ確認』と、『お守りいただけない場合に他のお客様への迷惑料金【3万円】を徴収する』という内容だ。
映画上映中に我慢できず携帯を見てしまうという問題が話題になっている近年。同ユニットがどんな思いでこのような施策を取り入れるのか、主宰のタカイと、舞台「キネマと恋人」(KERA・MAP)やドラマ「あなたの番です」に出演し今作では主演を務める三上市朗にインタビューを行った。
――「15分前到着割」はどういう経緯や思いで導入されたんでしょうか。
タカイ:これは開演15分前に来ていただけたら、100円お安くなるっていう取り組みで…金額は気持ちばかりなんですけどね。
小劇場って、劇場でお金を払う“当日精算”が多いのですが、そのために5分、10分開演が押すことも結構あって、僕はそれがあまりよくないなと思っていました。定刻に始まる方がカッコいいじゃないですか(笑)。
劇場にギリギリに駆け込んで落ち着く間もなく見始めるよりは、早めに余裕を持って来ていただいて一息ついてから、お芝居をよりじっくり楽しんでいただきたいなと。過去2公演でもこれをやっていて、結構定刻でやれているんです。
実際、5~6割の方が割引の対象になっていますね。
――役者さん的にも、やはり開演時間はきっちりしていた方がやりやすいですよね。
三上:自分が以前所属していた劇団M.O.P.でも定刻にやろうとはしていました。体質として、遅れは好きではなかったんですよ。もちろん交通事情とかどうしても仕方ない場合もあるとは思うんですけど、芝居というものは定刻で始めるのが筋だろう…と思っています。
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