舞台「ビックリマン」カンパニーの雰囲気は“ワンチーム”! 有村昆『1つにまとまっている感じがいいよね』

2019/12/21 17:00 配信

芸能一般

“ビックリマン愛”について語り合う4人撮影=原地達浩


それぞれが演じるキャラクターについて


――五十嵐さんは「天野家」のお父さん・真太郎役で出演。

五十嵐:子どものころ、ビックリマンが好きだったという設定。ビックリマンとの関係性については…これ、どこまで話していいんだろう(笑)。

有村:ネタバレにならない範囲で簡単に説明すると、要は2つの並行時間軸があって、現代である「令和元年」と「ビックリマンの世界」という2つの軸が、実は多重構造になっている感じの物語が展開されるんです。

五十嵐:とにかく、熱い作品。そして、中野さんが演出される稽古場の熱も本当にすごい。

――父親役に対する思いは?

五十嵐:僕は母子家庭で育ったということもあって、父親というキャラクターとどう向き合っていいのか分からなかったんです。そこに、すごく壁を感じました。

実際、父親はいることはいるんですけど、今は全然連絡を取っていない状況。僕と同じだとは言いませんけど、家族に対していろいろ悩みを抱えている人って多いと思うんですよ。

そういう何かにフタをしてしまっているような人がこの舞台を見た時に、少しでもそのフタをポンと開けられるようになったらいいなと思っています。

――小林さんのビックリマンシールコレクションは、制作発表でも話題を呼んでいましたけど、ヤマト王子への思い入れは?

小林:何といっても、アニメ版の主人公ですから。僕も毎週日曜の朝に見ていました。もちろん、実際に見ていた世代だからこそのプレッシャーはあります。

ビックリマンファンの中に「ヤマト王子って、こういう感じだよね」というキャラクター像が絶対あるだろうから、そこから逸脱しないようにということは、稽古のときから気を付けて演じています。

――役作りで工夫している点は?

小林:いわゆる昭和、平成の要素をお芝居の一部分に取り入れながら、それ以外のところで自分なりにどう演じていきたいのか。若い世代の子たちにとっても、分かりやすい部分をしっかりと加えていけたらいいなと思っています。

五十嵐:誰よりも詳しいから、稽古中もビックリマンを知らない世代のキャストたちにキャラクターの解説をしているんですよ。

有村:なるほど。それはいいね。

――先ほど「熱い現場」というワードが飛び出しましたけど、それは意識してそういう雰囲気を作っているんですか?

中野:ビックリマンを知らない世代の子たちも参加しているので、まずは“ビックリマン愛”を知ってもらいたくて。自分たちがこれぐらい愛しているんだということを伝える手段としては「熱さ」が1番いいだろうと。

だから、芝居もアクションもダンスも、とにかく熱くしてみました。その結果、みんなが汗だくになる。特におじさんたちが一生懸命になって汗をかいているから、若い子たちも頑張らなきゃって思ってくれているのかもしれません。

――有村さんはスーパーゼウス役。こんなことを言ったら失礼かもしれませんが、企画プロデュースを担当しているということで、やりたいキャラクターに立候補したんですか?

有村:あの~、まぁ、そうですね。あからさまに職権乱用の感じを出したりはしていませんけど、スーパーゼウスをやりたいなという思いは、何となく伝えていたのかもしれませんね(笑)。

五十嵐:キャスティングを見たときに、あぁ、そういうことかって思いました(笑)。

有村:子どものころ、スーパーゼウスのシールが出てきたらうれしかったですからね。ある意味、天使界のトップ。まさか自分が43歳で70代の役をやることになるとは思わなかったですけど、正直なところものすごくうれしいです。

――お子さんにも自慢できそうですね。

有村:そう、それがいいんですよ。今はまだ2歳なんですけど、近い将来ビックリマンにハマっていくと思うんですよ。そのときに、スーパーゼウスを見て「あ、これパパやってたじゃん」ってなったらいいですよね。

今回の舞台は、子どものころの自分の思い出と対峙するためでもあるし、次の世代にもビックリマンを好きになってほしいという思いもあります。僕らは本当に楽しませてもらいましたから。だからこそ、この喜びを子どもたちにも味わってほしいですね。

――“熱い”思いが込められた作品だということは十分に伝わってきます。

有村:見ていただくと分かると思いますけど、かなり真剣に作っています。決して、冗談半分でやっているわけではないということをお伝えしたいです。

五十嵐:昆さんは、めっちゃ動けるんですよ。

――アクションが見せ場ということですか?

中野:はっきり言って見どころの一つです! 前回、ご一緒した舞台ではアクションシーンがなかったんですけど、その時にたまたま棒を持って振っている姿を見かけて様になっているなという印象を受けたんです。

有村:僕は映画「スター・ウォーズ」のライトセーバーが大好きで、オリジナルで“有村昆モデル”を作ったんですよ。普段、それを振って遊んでいるんです(笑)。

中野:これは、絶対有村さんを動かさなアカンなと思ったんです。

五十嵐:正解でしたよ。ホントにすごいんです。

有村:実際にスーパーゼウスが動いたらこんな感じかなという、僕の中のイメージを表現しています。