この日は、まずオープニングの鏡開きイベントMCとして、前髪はあってもなくても似合う浜崎香帆が登場。お正月の緩やかな気配でつつがなく鏡開きを終えると、しばらく空いてPremium Stageの3番手としてTPDが入場してくる。
いつもの入場BGMに合わせてTPDホワイトに身を包んだ6人がやってくると、かなり遠めの位置から見ても分かるほど、その時点で気合の色があふれ出ていた。
1曲目は、CDデビュー曲「BRAND NEW STORY」。音楽にのせて実は“年女”なリーダー・高嶋菜七の「明けましておめでとうございます! 東京パフォーマンスドールです! NPP2020楽しんでいきましょう!」という元気のいいあいさつからAメロへ。
大きい会場ながら、各ソロパートを歌うメンバーへのコールもしっかり聴こえてきて、会場がTPDカラーに早くも染まっていくのを感じていると、年末のクリスマスイベントに出られなかった浜崎が、若干緊張しているように見えた鏡開きの時とは打って変わって自信たっぷり、元気いっぱいにあおり&歌を決めていく。
リーダーもインタビューで言っていたが、この曲に関しては“原点回帰”のフレッシュな感じというか、真っすぐな気持ちをぶつけて歌い上げるメンバーたち。
間奏の橘二葉によるソロダンスからの高嶋のヘッドロールも、お正月ならではの「いつもより余計に回しております」的な縁起物感があり、2020年もTPDという名の「初日の出」を見られて良かったな、と納得していると、“オチサビマイスター”浜崎の美しく澄んだ歌声がさえ渡り、1曲目から震えが止まらない。
やっぱりTPDは5人じゃない。足りなかった最後のピース・浜崎の歌声がハマるとこんなにもパワーアップするのか、とあらためて認識させられ、マスクでは隠せないくらいニヤニヤ感動していると、すぐさま強めの瞬間イントロから2ndシングル表題曲「DREAM TRIGGER」をぶっ放され、思わずたじろいだ。
サンタルックのかわいらしいパフォーマンスももちろんいいのだが、この「付いてこられるなら付いてきてみなさいよ!」感だよなあ。対バンと言っても別に勝ち負けを競うわけではないけど、完全に勝ちに来た感じの攻め方…。
F-Projectでいい刺激を受けたからか、橘のダンスにはこれまで以上にキレや艶っぽさがあり、「センターに立つと早く逃げたくなる」と言っていたはずの櫻井紗季の堂々たる中央部でのステージさばきも光っていた。
夏から秋にかけて大きな会場で立て続けに舞台、ミュージカルと経験した経験値が生きているのだろうなという、背景すらはっきりと見て取れた。
絶対王者・高嶋選手はもちろん、「キオスク」仕込みの色気(あくまで上品な)をまとう上西星来、いつも全力投球の浜崎&脇あかりの中トロコンビも息をつく暇さえ与えてくれないほどの仕上がり具合。
個人的には久しぶりに浜崎のアクロバット側転が見られて、これを見られただけでも、正月の家族サービスを放り出して来た甲斐があったというもの。
まあ、そもそもサービスするような家族は特にいないけど。
そんなむなしいボケを考えているのもつかの間、続いて3曲目はこれまた久しぶりに強めのイントロが印象的な「TIME」。そろそろかわいい系の曲にいくのかなと思いきや、トップスピードを持続してきた。
大きな会場だからこそ映えるTPDの羅針盤フォーメーションダンス(仮)も絶妙にマッチし、高嶋&浜崎のTPDが誇るツインディーバによる時間を忘れさせる歌声。
正月から何とぜいたくなひとときを過ごさせてもらっているのかと思っていたら、トドメとばかりに歌い出しのカリスマ・高嶋による「Counting the Seconds」が始まって、早くもノックアウト寸前に。
高嶋がソロパートを歌う中、周りの5人もそれぞれテーマを持って踊っている感じが素晴らしく、表現者とはこうあるべき、が詰まった静と動のパフォーマンスで魅了する6人の姿がそこにはあった。
個人活動を充実させた2019年が決して無駄ではなかったというのは、この曲でのメンバー全員の動きや表情を含めた表現力を見れば明らかだ。
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