対バンライブらしく、ここで一旦ブレイクし、MCタイムに。高嶋の「あらためまして、皆さま明けましておめでとうございます。東京パフォーマンスドールです!」から、1人ずつ簡単に自己紹介へ。
「皆さん盛り上がってますか~!?」のあおりも、帰って来た“あおり番長”浜崎のおかげで大いに盛り上がった。
その後、次の曲のために「タオル持ってますか?」と確認するも、寒い時期だけにあまり持ってきていないのか、反応が芳しくなく、どこからともなくメンバーから「コートでもいいですよ!」という謎のフォローが入り、浜崎から慌てて「コートはヤバイやろ」というツッコミが入るなど、新年早々(天然含め)ボケ多めの“6人らしさ”のあるトークを展開。
そしておなじみのタオル振り回しソング「Are you with me??」へ。会場のファンによるタオルパフォーマンスは見られないのかなと思いきや、なんだかんだ言いつつ大量のタオルが会場を埋め尽くしていく。
あらあらアイドルファンの皆さんは優しいし、シャイなんだな~とほほ笑ましく俯瞰で見ていると、続いては出ました「純愛カオス」。
毎回同じようなことを書いている気がするが、いきなりエモいサビから、Aメロ歌い出しの脇の流れに引き込まれてしまってメモを取ることすら忘れてしまうので、今回も「浜崎&高嶋のオチサビがエグい」くらいしか書いていないのだが、もう言葉なんて要らない仕上がりぶり。
ここまで火がついたらもう止められない。むしろ、ここからの3連発がすごかった。
「HEART WAVES」「SURVIVAL!!」「Jumpin' Up!」ですよ、奥さん。(誰だよ)
一般的なライブなら、そろそろ緩やかな曲を交えてお茶を濁してもおかしくないのに、渇いたおじさんの心を潤して余りあるセットリストをぶちかましてくれるじゃないか。
中トロのきれいなハモリあり、6人そろったギターのジャ~ンあり、いさきのホットなボーカル、ヘドバン前のヒクイドリ…ならぬ脇のキックのキレ、橘の「瞬間移動した?」的な速過ぎて見えないダンスあり、SEIRA様の長い手足を存分に使った優雅な身のこなしあり、気合がハンパじゃない浜崎のボーカルに加えて、浜崎が入ったことによって微妙に歌声を調整してきたディーバ・高嶋のボーカル。
書き始めたらきりがないくらい、濃厚な3曲のノンストッププレイで、夏フェスに来たんだっけ?ってくらい体温が急上昇しているのを感じた。恐らく会場中のファン、そして通りすがりのアイドル好きの方のハートは激しくウエーブしていたはずだ。
もしかするとメンバーもオーバーヒート寸前だったのかもしれない。この後すぐMCに入り、浜崎が「一旦タイム!」と言い、率先して水分補給しに行ったほど。
最後の曲振り前のMCで、高嶋が「最後にもう1曲だけ歌って、みんなと一緒に一つになってから私たち“逃げたい”と思うので…」とトリッキーなことを言い出し、すぐさまメンバーから「逃げないよ!」とツッコミが入るご愛敬はありつつ、「違うアイドルのファンの方もこの時間だけは一つになってね」と呼び掛け、抜群に発音のいいリーダーの「Hey, Girls!」が会場に響き渡り、大歓声とともにラストソングが始まった。
5人Ver.も高嶋ソロVer.も先日聴いたばかりだが、やっぱり浜崎を加えた6人のTPDによるこの楽曲は最強。
高嶋・浜崎の2人が向かい合ってハモる場面とか、完全に泣かせに来ているでしょ…ってくらい、2020年への決意がひしひしとパフォーマンスの端々に感じられたし、会場の「セイ!ヘイ!ウォー!」な盛り上がりもワンマンライブに来ているのかと錯覚するくらい沸いていた。
この大きいハコで、ファン以外の人すらも巻き込んで取り込む力。先日の連載インタビューで、高嶋が2020年のグループの目標を「大きいステージ」と迷いなく書いてくれたが、新年早々大きいステージを熱狂の渦に包みこんでくれた。
1曲目の時の歓声より、最後の歓声が格段に大きくなっていたのも、彼女たちの40分間がどれほど充実していたかが分かる。
対バンだとしてもこの大きいステージで彼女たちのパフォーマンスが見られたのはうれしいが、できることならこんな光景をワンマンライブで何度も見せてほしい。
TPDがトップスピードで駆け抜けるその後ろを付いていけるのなら、全然後ろを振り返ってくれなくてもそれはそれで本望。
とにかく、2020年は1度でも多く、そして少しでも大きなステージで躍動するTPDの姿が見たいものだ。
その代わり毎日記事を書けというのなら、喜んで書きますとも。
取材・文=蒼野星流
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