――番組のキーワードになった「終活」と「遺影」、そして岡村さんが挑戦した「精子検査」について、それぞれにどんな印象を受けましたか?
「終活」は、周りに迷惑をかけないという配慮だと思うので、素敵なことだなと思います。まだ僕は自分がすぐ死ぬというイメージができなくて、いろんな方のお話を聞いて、いつ何が起こるか分からないから、そのための(身辺)整理や準備はしてもいいなと思いました。
番組のロケで、遺影の撮影されているカメラマンの能津さんという方の元に行ったんですが、そのときに「遺影じゃなく、元気な姿の写真であって、お客さんがまた2年後とかに撮りに来てくれて再会できるとうれしくなる」とおっしゃっていて。
僕は遺影を撮影することについて、縁起悪いんちゃうかと、ネガティブなイメージもあったんです。でも、お葬式のときにみんなが遺影になる写真がなくて困ることもないし、いつも見ていただいている顔で皆さんに最期にあいさつできると考えると、いいなと思いました。印象が変わりましたね。
「精子検査」については、僕もちょっと抵抗があって。やっぱりそれによって大きく自分の行動が変わっていくじゃないですか。例えば、パートナーの方が子供ほしかったら…とか。
先に知るのは怖いなと思っていたんですけど、でも知ることでその先の生活が変わっていくとも思うので、自分でもやってみようかなと思いました。
やってみたいけれど…どうせならロケとかが良かったなと思いました。改めて一人で行くとなると…若干先生と向き合うのが辛い部分はある気がします。
――昨今は芸人さんの結婚ラッシュですね。山里亮太(南海キャンディーズ)さんや、若林正恭(オードリー)さんなど、同年代の方々が結婚していくことについては、どんな気持ちになりましたか?
もちろん祝福したいんですけど、未整理の感情というか…。
山ちゃん(山里)の結婚が分かったときは、ちょっと戸惑って心がざわざわしました。純粋に「山ちゃん良かったな! おめでとう」と思えない自分って情けないんかなと思いながら劇場に行ったら、楽屋ではみんな僕と同じようにざわざわしてましたね。
僕だけのものじゃなく、みんな持っている感情なんだと思いました。みんな山ちゃんのこと好きやし、僕も好きなんですけど、何なんですかね? 「どういう感情なんでしょうね?」って劇場のみんなで話しました。圧倒されたっていう感じかな。
若林さんも同期なんですけど、驚きましたね。若林さんの本とか好きで、読んでるんですけど、恥ずかしながら「若林さん結婚できんのかな?」と思ってたんです。
でも…著作を読んでいる限り、できそうな気配はあったんですよ。年齢を重ねて優しさが出てきたように感じていたので。
驚きはありましたけど、良かったなっていう思いです。
――ほかの芸人さんの結婚が、ご自身の結婚願望にもつながったりするんですか?
ありますね。僕らみたいな仕事は、個人個人でもあり、チームプレーでもあるじゃないですか。楽屋の話の内容が変わっていくんですよね。
家族いる人は家族の話するし、1人の人はその手前の話したりするので、いよいよ局面が変わってきたなと感じるんです。
僕の年齢でもそう感じているということは、岡村さん今田さんはもう何年も前から同世代の人たちを送り出しているということで…むちゃくちゃメンタル強いなって(笑)。
今田さんがおっしゃってましたけど、キャリアとか年齢分、恐怖や不安が積み重なっていくんじゃないんですよね。40代からの1年はそれまでの1年とは全く違って、倍やそれ以上の怖さや不安があるんじゃないかなと想像してしまいます。
…でもこの番組で、お一人を楽しんでいらっしゃる方を見ると、それはそれで憧れます。
相手がいないと結婚はできませんが、1人で生きていくのもそれはそれで楽しいし、幸せの形は無限にあるので。パートナーがいても、楽しいこといっぱいあるでしょうし。
そういうことを、改めて気付かせてくれる番組ですね。
結婚もしたい、でも結婚しなくても大丈夫なんや、そうやって励ましながら、許されるというか、「…結局どうしたらいいんですか?」ってなりますけど、「何でもええよ、それぞれ楽しいことあるよ」って言ってくれる番組のように思いますね。
――最後に、エンディングでは子供たちに囲まれてカラオケしていましたが、そこではどんな感情になりましたか?
名曲ですから、真剣に歌いました。アローンを表すような歌詞があるので、感情は入りますよね。
子供たちがいると「かわいいな」って思うのと同時に、あったかもしれない自分の人生を思ってしまうというか…「俺の子供かもしれない」って全員思ってたでしょうね。
でも他人の子供でもみんなで見守って支えていくという、そういう社会であってほしいです。だから、アローンはアローンであるけれども、究極はアローンではない…とか言い出したら終わりですよね(笑)。
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