プロレスラー、獣神サンダー・ライガーの30年にわたる試合の映像を集めた公式DVD-BOX「獣神伝説〜30年間の激選名勝負集〜」が、12月25日に発売。
このほど、その発売に併せて獣神サンダー・ライガー本人にインタビューを敢行。後編となる今回は、今年3月の引退宣言や近年のテレビ出演、そして2020年1月4日(土)・5日(日)に迫った引退試合への思いなどを語ってもらった。
――今年3月の「引退宣言」後のお話も伺いたいのですが、まず、石森太二選手とのIWGP Jr.ヘビー級タイトルマッチの後、引退を決意された一番の理由は?
やっぱり石森太二選手は今チャンピオンですけど、まだまだこれからも伸びる選手ですよね。実際試合をやっていても、彼は破天荒な動きをその場のひらめきのような形でパッとできてしまうんですけど、僕はそれに付いていけないですし。
僕はその時どんな試合をしたのかと言えば、もう手練手管、自分の持っているものをいろいろ組み替えながら試合を進めていて。だから伸びしろはそこには無いんですよ。持っているもので試合を作っているので。
でも石森選手にはひらめきや(それを形にする)瞬間的な動きがあるので、どんどん広がっていくんですよ。それで試合中、「あ、俺勝てないな」って思ってしまって。
新日本のレスラーがなぜリングに上がるのかと言ったら、やっぱり「てっぺん」を取りたい、チャンピオンになりたいから。そのチャンピオンになる可能性が無くなったのなら、もう身を引くべきじゃないかなと思って、タイトルマッチの翌日に発表しました。
普通、試合の一夜明け会見というのは勝った人がするものなんですけど、負けた人間がしましたからね。デタラメですよ(笑)。
――「引退宣言」に対して、多くのレスラーから対戦要求があるなど、大きな反響がありましたが、レスラー以外の周囲の方、芸能界の方などからはどのような反応がありましたか?
一番は「なんで引退するの?まだ出来るじゃない」っていうことですね。それはファンの皆さんもそうですし、友人や知人からもまず「何で?」って言われました。
前日のタイトルマッチを見てくれた人からは「あれだけの試合をしていたじゃん」っていうのが一番多かったですね。だけど、僕の中ではそういう思いがあったので。やっぱり潮時かなと。
――今回Disc6にも収録されている4月のマディソン・スクエア・ガーデンでのバトルロイヤルでは、久々にグレート・ムタ選手とリング上で対峙して、多くのファンがグッと来ていたと思います。ライガー選手の心境はいかがでしたか?
いや~ワクワクしましたよ! 僕が一番ワクワクしたんじゃないかな。(向かい合った瞬間)「うわぁ、ムタじゃん!」って思いましたし。でも、下から選手が出てきて(二人そろってリング下に突き落とされてしまい)「俺が勝ちだ!」なんて言われて。「うそつけ!」って感じでした(笑)。
――その後、どこかでムタ選手と交わることを期待したファンもいたと思いますが、お二人の試合が組まれることはありませんでした。ムタ選手とやり合うというのも、ある意味「やり残してしまったこと」なのではと思うのですが…。
そうですね、まあムタとも何度か試合をしましたけど、ある意味僕のあこがれの選手の一人でもあるのかもしれないですね。アメリカで大成功を収めて、全米サーキットして、体格にも恵まれていて。
そんな憧れの選手だから、最後の最後に試合をできたことはうれしいですし、結末どうこうよりも、肌を合わせることができたっていうことが僕にとっては思い出ですね。
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