――日曜夜の定番番組になった理由は何だと思いますか?
所:林さん、分析してくださいよ。
林:そうですね…今はみんなが発信者になれる時代ですよね。その中で、自分とあまり変わらない人が、何を考えどう生きているか。特にご年配の方々からしたら同年代の方が違う環境で全く違う暮らしをしていらっしゃることを知ることで自己確認をされているのかもしれませんね。
所:どこかで私たちの印象が逆転したのかもしれませんね。当初は人里離れて暮らしている人って、都会から逃げてきた人、とっつきにくい人、という先入観があったんですが、見てみると、そこに訳あって代々暮らしていたり、すてきな人間模様があったり。
こんなにもいい人が暮らしてらっしゃるんだ、と見る側の意識が変化したんじゃないかな。
林:そうですね。特に都会の人からすると、しっかりと土地と繋がって生きている感覚って感じられないと思うんです。
不便かもしれないけど自分だけではなくて、先祖代々この地で暮らしてきたんだ、だからここに残る、というドラマも番組では多い。ですから、都会人からすると、無いものを見せつけられて「こういうのもいいなあ」と感じる部分もあるかもしれないですね。
所:山の奥で住んでいらっしゃる方々の暮らしって、全部やっていることが無駄じゃないんですよね。私たちにとっては無駄に見えることでも、本人たちにとっては尊い日常なんですね。だから価値観の違いを見せつけられるのかもしれないですね。
例えば、お風呂を入れるときでも、ボタン一つでお湯が沸くじゃないですか。でも、山の生活では薪を割って、火をくべてお湯を沸かして…。面倒くさいことがたくさんあるじゃないですか。
だから、日々の中にある“ちょっとひと息”の感覚も全く違うと思うんです。面倒くさいことも一杯やることで、一息の価値も変わるんじゃないかな、とも思うんです。
自分たちが普段やっていることも否定されるほど内容の濃い番組だと思います。
林:月並みな言い方になりますが、我々が見失ってきたものを強烈に見せつけられる番組なのだと思います。
2019年最後の放送は、これまでに訪れた一軒家の住人のその後を取材しつつ、新たな一軒家も紹介。
最後に、所が「2019年の締めくくりにふさわしい一軒家だね!」と感動する“ポツンと一軒家”には一体どんなドラマがあるのか注目だ。
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