倉科カナ「ご褒美のようなお話」初の舞台主役で“稀代の悪女”に!<Interview>

2020/01/10 07:00 配信

芸能一般 インタビュー

倉科カナ撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記


「悪女を演じるのは楽しい」


――今回の役は悪女ということですが。

実は、私は比較的に悪女役が多いんですよ。人の彼氏を奪ったり、不倫したり、嫌がらせしたりとか。そういう役柄が多かったんですよね。

――そのイメージは、最近の作品ではあまりないですよね?

そうなんですよ。ここ最近はちょっとクリーンなイメージで(笑)。

でも、悪女を演じるのは楽しいです。基本的に清純なものが得意ではないんですね。子供の頃もアニメなどは悪役のキャラクターのグッズを集めていたり、プリセンスよりもそっちの方が好きだったりしていて。

なので、演じるのも悪女の方がいろんなアイデアが浮かんできたりするんですよね。普段できない分、こうやったら相手はもっと悲しむんじゃないかとか、こうやったら苦しむんじゃないかなとか、こうやったらもっと…私Sっ気があるのかな?(笑)

――役ではなく、ご自身の中に悪女の部分を感じることは?

うーん、でも他人を羨んじゃう、嫉妬しちゃったり、いいないいなと思って、ちょっと腹の底でひがんでいたりする部分は悪いところだなと思いますけど、それは誰しも持っていることだから。だから責めないし…清いより悪が好きというのもそれがあるかもしれないですね。

みんな誰しもそういう一面があるのに、清いよと言っているよりは、私悪いよと言っている方が、自分自身の全てを認めている気がするから好きなのかもしれないです、多面的で。

“悪”を考え直す機会に


倉科カナ撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記


――では、今回役作りというのは?

今回はあまりしないと思います。でも、「悪って何なんだろう?」と一度考え直す機会にはなるかなとは思っていますし、今回は結構悪い人ばかりが出てくるんですね。ほぼ全員が悪人なんですが、それでも悪に対しての人それぞれの境界線みたいな、ポリシーみたいなものはあるんですよ。

例えば私は人を殺していて、他に詐欺師がいるとするじゃないですか。その詐欺師はお金のないおじいちゃんからお金をだまし取っている。私は人を殺しているのに、「あなたのその詐欺は許せない!」みたいな。私の悪のプライドというか、悪の中にもそれぞれのボーダーライン、正義みたいなものがある…分かります?(笑)

――「鼠小僧は人殺しをしない」みたいな?

あ! そうそう、そういう感じです! そういうのが入っているのかなって私は思っているんです(笑)。みんな悪人なんです。(私も悪人なので)人のことは言えないんですけど。だからこそ、哲学的にはなるけど「悪ってなんだろう?」って少しずつ考えて、自分の中で芯は通しておかないといけないかなって思います。

――それでは、最後に読者へメッセージをお願いします。

江戸川乱歩なんですけど江戸川乱歩ではない。「お勢登場」という江戸川乱歩の作品の中からお勢が登場して、倉持さんという演出家さんで舞台化されます。とてもユニークなキャストがそろいましたので、ぜひ劇場におこしください。

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