飯山氏は「『ぷっ』すま」を初回から担当しているいわば生き字引きだ。「最初は確か、草なぎくんで番組をやりたいってなっていて、じゃあ誰にしようかって何人か候補を挙げていく中で、ユースケ・サンタマリアが面白いぞって言っている作家さんがいて…」と番組立ち上げ当初を振り返る。
「それで(ユースケの出演番組を)いろいろ見てみたら、まぁちょっと変わってる。これは何かのケミストリーが生まれるかなってなりまして、初回は打ち合わせもせず、1度も会わせず、本当の初対面で収録したんです。
ユースケくんは人気アイドルとの初仕事に緊張してましたね…当日、すっごい遅刻したっていうのもあって(笑)。『ちょっと向かい風が強くてね』なんて言い訳してましたから、既に適当でした(笑)」
その初回は、「草なぎ剛をイケてる男にする」というテーマの下、草なぎがビンタされまくる「ビンタしてくる男を見極めろ」という驚きの企画だった。
「そんなこともやってましたけど、だんだん何か、あんまりルールにハメちゃうとよくないって分かってきたんですよね。2人は実は真面目なので、ルールがあるとルールに沿って行っちゃうんですよ。
だから、それをちょっと甘くするようにして。そしたら2人がそれに慣れてきて。たまにルール与えると、今度はルールを壊すようになってきて(笑)。そこから今の「『ぷっ』すま」らしさが生まれていったんですよね」
そこから20年。番組は緩やかに変化しながら続いた。その長い歴史を俯瞰して、タームを区切って○○期とつけるとしたら? と尋ねると、「難しい質問するなあ~~~!」と言いながら、「たぶん初期はそんなによくなかったんです当然。初めて会うんで、反りが合わないというか、“生まれない”っていう感じがちょっとあって…しっかり決めた企画ありきの、普通のバラエティーだったと思います」と振り返ってくれた。
だが、「それから2人がちょっと友達っぽくなってきて、「『ぷっ』すま」らしさが出てきた時期が…、うーん、でも何かこれ、無理やり言ってますね(笑)。やっぱり別に、そういうのはないんですよ。そうやって分析していくと、番組ってどんどんつまんなくなるので、あまり分析しないようにしてて」と申し訳なさそうな笑顔。
このあくまで地上の目線でいる姿勢が、あの気楽に見られる世界観を作り上げているのかもしれない。
「すごいですよね。収録終わりの反省会とかもせずに20年。どんどんやってきゃーいいってことなんですかね。反省しちゃうとろくなことないっていう…(笑)。ここ直そうっていっても直るもんじゃないし、それを積み重ねてもしょうがない。
別に何かを目指しているわけでもなく…「『ぷっ』すま」にも「なぎスケ!」にも一応“大人の趣味を増やす”というコンセプトはあるんですが、実際にはただ2人がやりたいことをやってるだけ。何か、『サザエさん』に似てる気がするんですよね。ただただ、日常をお送りしてるだけです」
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