――この作品をシンプルに説明すると「自殺催眠をかけられた36人の生徒のデスゲーム」になりますが、その奥に込められているものは何だと思いますか?
二つあるんですけど、まず一つは自殺を誘発するシグナルの中に、「遅刻しちゃいけない」「ケータイを使っちゃいけない」というものがあるんですけど、それって現代だからこそのあるあるだと思うんですね。このシグナルを通して、現代のいいことって何だろう? 逆に、必要以上にやるべきではないことって何だろう?というメッセージが隠されているのではないかな?と思います。
――では、もう一つは?
僕、こういうホラー映画が大好きなんです。「ソウ」シリーズとか激しいものが好きなので、「シグナル100」も好きなのですが、そういう作品を見た後って、一口のご飯や、水一滴がすごくおいしく感じる気がするんです。生きていることへのありがたみとか、死なないことへのありがたみのような感謝は日常生活の中でも感じられますが、この映画を見た後はより濃く感じられるのではないかと。
もし自分が同じ状況に陥ったら、どうするか?ということを考えながら見ていただけたら、価値観も変わるのではないか?とも思いますので、さまざまなことに感謝して、「キートス!」(=小関の写真集のタイトルで、フィンランド語でありがとうという意味)と思っていただけたらうれしいですね(笑)。それから、原作とは少し違っていて、映画バージョンになっている部分もありますので、楽しみにしていただきたいです。
――この「シグナル100」が2020年の1月から公開されますが、2020年はどんな1年にしたいですか?
すでに決まっているお仕事がありますので、それを皆さまに楽しみにしていただきたいなと思います。そして、2019年にフィンランドの自然の中で感じた、ゆったりした気持ちのなかで持つ緊張感などを大事にして、すてきな30代になるための時間をアクティブに過ごしていきたいです。
取材・文=及川静
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