ハリウッドスターが信頼を寄せる“鬼才”デヴィッド・フィンチャーの映画はなぜ注目を集めるのか?<ザテレビジョンシネマ部>

2020/01/07 07:00 配信

映画

『ゴーン・ガール』(C)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation, Regency Entertainment (USA), Inc. and TSG Entertainment Finance LLC in the U.S. only. (C)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation, Monarchy Enterprises S.a.r.l. and TSG Entertainment Finance LLC in all other territories. All rights reserved.


ハリウッドの第一線で活躍している監督の中でも、新作を発表するたびに世間の大きな注目を集めるのがデヴィッド・フィンチャー。『セブン』(1995)でヒットメーカーとなり、さらに映画賞をにぎわせる鬼才へ。映画ファンばかりか、世界中の映画人が注目する存在といっても過言ではなく、名作『市民ケーン』(1941)の脚本家にスポットを当てた2020年に待機中の新作『Mank(原題)』も、早くも話題となっている。なぜフィンチャーの放つ映画は、こんなにも注目を集めるのか?

【写真を見る】フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグを描いた『ソーシャル・ネットワーク』(c) 2010 Columbia Pictures Industries, Inc. and Beverly Blvd LLC. All Rights Reserved.


フィンチャーは自作の世界観作りを入念に行なう監督で、納得のいくテイクが撮れるまで何度でも撮影を繰り返す。例えば、フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグの成功の光と影を描いた『ソーシャル・ネットワーク(2010)』(1月15日[水]夜10:55 WOWOWシネマほか)。主人公とヒロインがパブで会話をする、数分の長いせりふの応酬を、フィンチャーが90回以上撮り直したのは有名な話。演じたジェシー・アイゼンバーグとルーニー・マーラに演技をさせるのではなく、自然に言葉を発させる、そのためにテイクを重ねたというから驚きだ。これだけではなく、シーンによっては200回撮り直した場面もあるという。

『ゾディアック』(c) Warner Bros. Entertainment Inc.


実際の未解決連続殺人事件に基づき、その謎に迫る記者たちの奔走を描いた『ゾディアック(2007)』(1月14日[火]深夜1:15 WOWOWシネマほか)では、事件を追う刑事に扮したマーク・ラファロがハンバーガーを食べるシーンがある。これも撮影が何度も繰り返され、ラファロは結局、74個のハンバーガーをかじることになったのだから、摂取カロリーが心配になる!?