1曲目は2人がアカペラで歌い出す「メトロノーム」。アイコンタクトを取り、ぴたりと呼吸を合わせた高音のユニゾンの出だしにYuiの軽やかなキーボード伴奏が重なると、開演前までのやや浮き足立っていた聴衆の意識は一瞬にしてステージの2人に集中する。
小花柄のワンピースにウェーブヘアのYuiと、ショートボブにパンツスタイルの妹・Mei。歌唱中しきりに視線を合わせる2人からは歌うことへの喜びが感じられ、透明感のある歌声、姉妹だからこそ生み出せるあたたかなハーモニー、息の合ったリズム感のどれもが心地よい。
切ない女の子の恋心をちょっと大人びたサウンドで歌い上げた1曲目に続き、2曲目はテンポのよいメロディーと手拍子で始まる「オレンジ」。学校で人気者の彼を好きになってしまった女の子の心情を可愛く描いたポップな楽曲で、軽快なドラムに軽やかな歌声が10代ならではのワクワクやドキドキ、疾走感を表現している。
実は今回が、ゆりめりにとって初の東京ワンマンライブであると同時に初のバンド編成でのライブ。だがすでにバンドメンバーとの信頼感も万全の様子で、歌声とバンドサウンドが一体となってゆりめりの世界を作り上げていく。
続く3曲目「12/23」はクリスマスイブの前日にフラれてしまった女の子の切ない想いを歌い上げるバラードで、こちらも歌詞に描かれる感情の高ぶりと音楽の盛り上がりがぴたりと一致して胸を打つ。
冒頭から恋愛にまつわるオリジナル楽曲が3曲続いたところでMCへ。3曲を作詞作曲した姉のYuiに、妹のMeiが「Yuiちゃんは恋愛マスターなのではないでしょうか?」と軽く探りを入れるとYuiは「いや、フィクションやで(笑)!ラブストーリーを妄想するのがうまいということです」と滋賀なまりで答え、照れ笑い。親しげで気の置けない雰囲気も、姉妹ならではだ。
ここからはゆりめりがYouTubeチャンネルで展開している「ゆりめり、うたってみてん。」からカバー曲を3曲披露。King Gnu「白日」、RADWINPS「愛にできることはまだあるかい」、Official髭男dism「ノーダウト」と、いずれも男性ヴォーカルの楽曲に、女性ならではの柔らかさや温かさを織り込んで独自の世界観を作り出す。中でも「愛にできることは―」は、2人の透明感ある歌声によって、曲の持つ聖なる空気がとてもよく表現されていた。
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