磯村勇斗が語る、カレンダーで表現した「物語」<インタビュー>

2020/01/18 12:05 配信

芸能一般

エモーショナルな赤は「依存心、傷心、愛心」撮影:神藤剛

俳優・磯村勇斗の卓上カレンダー「磯村勇斗カレンダー 2020.04-2021.03」が2月28日に発売される。

カレンダーでは磯村の1st写真集「あなたが見る僕は――」を撮影した写真家・神藤剛と再タッグ。磯村自ら考案したビジュアルコンセプト「ビビッド」をもとに制作された。本作について磯村に話を聞いた。

――カレンダー撮影のコンセプトのベースは磯村さんが考えられたものですが、どういったところから思いついたのでしょうか?

今回「俳優として、今、自分が何を表現したいのか」をテーマに置き、話し合いを始めました。綺麗な場所で綺麗なカットを撮るのもいいですが、今、俳優として自分が表現したいことはやはり「感情」「心の動き」だと思いました。「『自分がどこに向かっていくのか』を四季を通じて見て欲しい」、そう考えたとき、自分は皆さんの目に留まるときに必ず「色」をまとっているなと思ったんです。

映像にしても、紙媒体にしても、常にいろいろな色の世界で存在している。今回出すのはカレンダー。そういった話をしている中で、印刷の世界は「CMYK」で表現している。シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックこの4色によって様々な色が出来ていると。【シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)と、キー・プレート(Key plate)】これが白い紙に印刷される原点の色だと思った時に、白とこのCMYKを加え、色と自分の感情が、同じパレットで混ざったらどうなるのか。という実験的な挑戦も兼ねつつ、1年を通して物語のあるカレンダーにしたいと考えました。

――衣装に関して、特にこだわった点があれば教えてください。

色をただ衣装で表現するのではなく、物語の主人公(カレンダーで言う自分)の気持ちや場所、空気に合うデザインを大事にしたいと意識しました。例えば、白の時は、赤子が着るような、柔らかい素材が合うのではないか。黄色の時は、危険な香りがする、硬めの素材やパンク風が合うのではないか。と。スタイリストさんは大変だったと思います。

――今回、白→青→黄→赤→黒→白という色で変化していく構成ですが、それぞれの色に関して、ご自身で撮影時に大切にしていたものがあれば教えてください。

どういう感情を抱えて撮影するかという意味で“心”をイメージして臨みました。

最初の白は「初心(うぶ)、無心」、青は「童心、探求心」、黄は「好奇心、敵対心、野心」、赤は「依存心、傷心、愛心」、黒は「求心、自尊心」、白は「唯心」などです。

――今回の撮影で特に難しかったテーマの色は何でしょうか?

最後の白。他の色は、構成を決める中で物語のベースが見えていて「こんな感情で撮りたい」と話せましたが、最後の白だけは、撮ってみないとどんな自分になっているか分からない。目指すは「希望が見えるといいね」というビジョンだけ。だから撮影は、物語の頭から順番に1日で撮り切る事になりました。撮影一つひとつを肌で感じて、呼吸して、積み重ねて、最後の白に向かう。気が抜けない、緊張感がありました。

――表現者ならではのこだわりが詰まったカレンダーとなりましたが、ご自身で特に気に入っているカットがあれば教えてください。

どのカットもお気に入りで選べなかったくらい、カメラマンの神藤さんに、素敵な写真をたくさん撮って頂きました。強いて言うなら、最後の白。3月の写真です。物語の終わりの顔でもあり、始まりの顔。自分でも見た事ない表情になっていると思います。是非注目して頂きたいです。

――「ここに飾ってほしい」というご希望はありますか?

卓上カレンダーですが、壁にも飾って欲しい。写真1枚1枚を、部屋で皆さんの存在する空間で感じ取ってもらいたいです。

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