映画「よこがお」 深田晃司監督、筒井真理子の存在感に圧倒「カメラの前では記憶がなくなるくらい…」

2020/01/22 17:00 配信

映画 インタビュー

【写真を見る】深田晃司監督も圧倒されるほどの演技を披露した筒井真理子(C)2019 YOKOGAO FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS


深田晃司「ゼロになって演じてらっしゃる姿が素晴らしい」


――主演の筒井さんの印象はいかがですか?

筒井さんの演技への取り組みに改めて胸打たれました。筒井さんとご一緒したのは「淵に立つ」が初めてでした。そこで、筒井さんの演技に対する向き合い方…演技に対して準備を徹底してらっしゃる姿、そしてカメラの前に立つ際には記憶がなくなるというくらい、ゼロになって演じてらっしゃる姿が素晴らしいと思いました。

やはりそれくらい向き合える俳優さんって少ないのではないかと思うので、すごいなと思いますし、本当にこの人演技以外のことに興味ないんじゃないかって思ってしまいました、俳優として生きること以外に(笑)。

人生は楽しんでいるけどすべてが俳優の仕事に生かされていく。本当にストイックな方だなという印象です。

――筒井さんの演技、どのあたりが見どころですか?

もう全てとしか言いようがないのですが、やはり気持ちが変化するような瞬間の演技が素晴らしいなと思いました。

サキ(小川)の誘拐事件の真相を知ったときの動揺や感情の変化が表れるところでは、市子の感情を非常に細やかに演じていただけたなと思い、僕も好きなシーンの一つです。

真相を知って動揺する市子と、市川実日子さん演じる基子、そして何も知らずに安心している、川隅奈保子さん演じる洋子。この三者三様の表情や感情が見えたシーンでは、筒井さんはもちろん、皆さん素晴らしいアンサンブルを見せてくださったなと思います。

――撮影の際に、筒井さんと相談されたことありますか?

基本的には信頼して任せているので、筒井さんがどのように脚本の市子をアウトプットしてくださるかということを楽しみに見ていました。

サキの誘拐事件が発生することで、市子の感情がどんどん動いていって、どんどんダメージが蓄積されていき、市子が変化していくのですが、映画の撮影の都合上、順番に撮影するというのは難しいのでその変化の度合いが適切な量でできているかということは話し合いながら撮影しました。

筒井さんも、市子の感情などの変化を大切に演じられているなという印象を受けました。筒井さんは市子の感情をよく花で例えられていて、花びらが1枚落ちている状態、2枚落ちている状態、花がしぼんでいる状態など…それはすごく素敵な表現だなと思いました。

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