――講義してみて、どんなことを感じられましたか?
奥田「(講義を受けた人とは)だいぶ年齢が離れてますからね(笑)。体育は年が近いから、わかりやすい話ができるだろうなと思ってたけど、僕の話は「何それ?」って思われたんじゃないかなと。まあ、それでもいいんだけど(笑)」
岡崎「すごく新鮮でしたね。音楽をはじめたきっかけを振り返る機会はそんなに多くないし、講義という場でしゃべらせてもらったことで、“何で音楽を始めたか”を自分のなかでリフレインできて、改めてやる気にもつながったので」
――“デジタルと生音”も大きなテーマになっていました。民生さんは生音、アナログのイメージもありますが、かといって、デジタルをまったく使わないわけではないですよね?
奥田「そうですね。ただ、デジタルを突き詰めているわけではないし、ソフトを使っていても、“10%くらいしか使えてないんだろうな”と思ってますけど。まあ、今さら僕がそれを追求しても、もっとすごい人には勝てないので。あくまでもアイテムの一つですよね」
岡崎「DTMもどんどん進化して、いろんなことが出来ますけど、“それを使えば全員、いいものが作れるか?”と言えば、そうではないので。何を作るか?が大事だし、それにいちばん適したツールを選ぶことは、音大生のみなさんがこれから考えなくてはいけないことでしょうね」
奥田「機材はオモチャみたいなもので、イジってるうちに面白いものが出てくることもあるけどね。むしろ、今の時代はそういう人のほうが多いだろうし、それでいいと思います。でも、才能みたいなことって、そういうことには関係ないんですよね。何を使っても、すごい人はすごいから」
――確かに。これから音楽の道を目指す人に対して、お二人から言えることがあるとすれば、どんなことでしょう?
奥田「学んでることは絶対に役に立つと思いますよ。ただ、それだけいいわけではなくて、やっぱり人と違う何かを作り出せるかどうかが大事で」
岡崎「そうですね。しっかりした目標や夢を持ったうえで、それを実現させるためのアクションを起すことに重きを置いてほしいなと」
――ちなみにお二人は、音楽を学校で学んだ経験は?
奥田「まったくないです」
岡崎「僕もないですね。小さいころピアノを習ったんですけど、3か月で辞めさせられたので。理論がわかったり、絶対音感があれば制作のペースも早いんやろうなって思ったりするけど、DTMを使って、ぴったりの音が見つかったときの快感もあるから、何とも言えないですけど」
奥田「ユニコーンでデビューした頃は、楽譜のことがわかるメンバーはABEDONだけだったんですよ。わからないことがあれば教わって、20代後半くらいでコード譜は書けるようになって。いまは“ダル・セーニョ”くらい書きますよ、何なら(笑)」
岡崎「僕もまったく楽譜は読めないです。それでもこうやって活動できているし、“頑張り次第で何とでもなる”ということは学生のみなさんにも伝えられたかなと」
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