クイーン、史上最大規模の来日公演がスタート!初日は29曲演奏し、3万人を魅了!

2020/01/26 14:00 配信

音楽

クイーン+アダム・ランバート@さいたまスーパーアリーナ撮影●岸田哲平


また、文字通り宇宙的というか天文学的なブライアンのギター・ソロ(どのような光景であるかについては是非、実際のライヴでご確認いただきたい)にも印象深いものがあったし、照明や映像を駆使したクオリティの高い演出は、あくまで品格を感じさせるゴージャスさで、このバンドの音楽の魅力を最大限に強調する役割を果たしていた。

そして、そんななかでやはり目を引いたのは、フロントマンを務めるアダム・ランバートの歌唱とパフォーマンスの素晴らしさだ。公演の序盤、彼は「みんなフレディのことは好き? 僕も大好きなんだ。だから僕らは同じ。今夜は一緒にフレディを祝福しよう」といった言葉を客席に投げ掛けていたが、フレディを真似するのでもなければ、自らの持ち味を必要以上に強調しようとするのでもなく、あくまで各楽曲の物語性やイメージに忠実に、なおかつその世界観をわかりやすく体現してみせた彼のパフォーマーとしての素晴らしさは、まさにこれから先も語り継がれていくべきものといえるだろう。ブライアンは彼を“gift from god(神からの贈りもの)”と紹介していたが、いわばクイーンはアダムにチャンスをもたらし、アダムはこのバンドに新たな可能性をもたらしたのである。

クイーン+アダム・ランバート@さいたまスーパーアリーナ撮影●岸田哲平


ショウは“RADIO GAGA”から“ボヘミアン・ラプソディ”へと連なっていく完璧な流れでクライマックスを迎え、アンコールでは“ウィ・ウィル・ロック・ユー”と“伝説のチャンピオン”が3万人を完全にひとつにした。2時間10分を超える、極上のひととき。この唯一無二の存在が、日本のオーディエンスの記憶に、また新たな伝説を刻み込んだ一夜だった。

なお、彼らは1月26日にも同会場で公演を実施。ツアー自体はこの先も京セラドーム大阪(28日)、ナゴヤドーム(30日)と続いていく。今後の公演の行方にも注目したいところだ。

日本公演 1月25日(土)さいたまスーパーアリーナ セットリスト


(日本語は邦題/英語は原題)

※印は最新ベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ・イン・ジャパン』収録曲。

1.ナウ・アイム・ヒア  Now I'm Here

2. 輝ける7つの海 Seven Seas of Rhye

3. 炎のロックン・ロール Keep Yourself Alive ※

4. ハマー・トゥ・フォール Hammer to Fall

5. キラー・クイーン Killer Queen ※

6. ドント・ストップ・ミー・ナウ Don't Stop Me Now ※

7. 愛にすべてを Somebody to Love ※

8. 神々の業(わざ)(リヴィジテッド) In the Lap of the Gods... Revisited

9.アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー I'm in Love With My Car

10.バイシクル・レース Bicycle Race

11. 地獄へ道づれ Another One Bites the Dust

12. アイ・ウォント・イット・オール I Want It All

13. 手をとりあって Teo Torriatte (Let Us Clinghether)

14. ラヴ・オブ・マイ・ライフ Love of My Life

15. ‘39 '39 ※

16.ドゥーイング・オール・ライト Doing All Right

17. 愛という名の欲望 Crazy Little Thing Called Love

18. アンダー・プレッシャー Under Pressure

19. ドラゴン・アタック Dragon Attack

20. ブレイク・フリー(自由への旅立ち)I Want to Break Free

21. リヴ・フォーエヴァー Who Wants to Live Forever

22. ギター・ソロ Guitar Solo

23. タイ・ユア・マザー・ダウン Tie Your Mother Down

24. ショウ・マスト・ゴー・オン The Show Must Go On ※

25. ボーン・トゥ・ラヴ・ユー I was Born To Love You

26. RADIO GA GA Radio Ga Ga ※

27. ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody ※

アンコール: Ay‐Oh *Freddie on screen

28. ウィ・ウィル・ロック・ユー We Will Rock You

29. 伝説のチャンピオン We Are the Champions

取材・文●増田 勇一(音楽評論家)