最も話題を集めているのが、『パラサイト 半地下の家族』だろう。韓国映画として初めての作品賞に監督賞、脚本賞、国際長編映画賞(これまでの外国語映画賞)など6部門にノミネート。これだけでも快挙だが、受賞すればそれこそ初めてだらけの栄誉となる。
というワケで、初めてずくめの第92回アカデミー賞授賞式(2月10日[月]午前8:30 WOWOWプライムほか)開催を前に、アカデミー賞を飾ったあんな初めて、こんな初めてを振り返ってみたい。
2009年の第82回、キャスリン・ビグローが『ハート・ロッカー』で女性監督として史上初の受賞。ちなみに、この年のアカデミー賞では元夫のジェームズ・キャメロンの『アバター』と賞レースを争い、同作は作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、音響編集賞、録音賞の6部門を制した。
女性監督賞のハードルは高く、過去にノミネートされたのは、ビグローを含めて『セブン・ビューティーズ』(第49回)のリナ・ウェルトミューラー、『ピアノ・レッスン』(第66回)のジェーン・カンピオン、『ロスト・イン・トランスレーション』(第76回)のソフィア・コッポラ、『レディ・バード』(第90回)のグレタ・ガーウィグのたった5人。ガーウィグは今回の『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』では監督賞でなく、脚色賞でノミネートされている。
歴史的には、『風と共に去りぬ』(1939)でヴィヴィアン・リー演じる主人公スカーレット・オハラのメイドを演じたハティ・マクダニエルが助演女優賞を受賞したのが、アフリカ系アメリカ人にとって初めてのオスカー像だった。初の主演男優賞は、『野のユリ』(1963)のシドニー・ポワチエ。この時、『卒業』(1967)で知られる女優アン・バンクロフトがポワチエの頬に軽くキスしたことが保守層の間で物議を醸した。次の主演男優賞受賞は、38年後、『トレーニング デイ』(2001)のデンゼル・ワシントンだった。
『チョコレート』(2001)のハル・ベリー。ちなみに、『キャットウーマン』(2004)で第25回ゴールデン・ラズベリー賞最低主演女優賞を受賞した彼女は、オスカー像を持って会場に駆け付け、スピーチまでするという太っ腹なところを見せて、女を上げた。
第89回に『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスと『ムーンライト』のマハーシャラ・アリがそろって受賞したのが初めて。第91回でも『グリーンブック』のマハーシャラ・アリと『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キングがW受賞を果たした。
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