アカデミー賞作品賞の感動作も!2月初放送作品を映画アドバイザーミヤザキタケルが厳選<ザテレビジョンシネマ部>

2020/02/01 07:00 配信

映画

『グリーンブック』 (c) 2019 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


映画アドバイザーのミヤザキタケルが、各月の初放送作品の中から見逃してほしくないオススメの3作品をピックアップしてご紹介! これを読めばあなたのWOWOWライフがより一層充実したものになること間違いなし!のはず...。

今月は、アメリカ・フランス・デンマーク、異なる国で生み出された3本を紹介します。

『グリーンブック』(2018)


『グリーンブック』 (c) 2019 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


第91回アカデミー賞作品賞・助演男優賞・脚本賞受賞作。本作の脚本家であるニック・ヴァレロンガの父親と黒人ピアニストの実話を描いた物語。

人種差別の色濃い1960年代の米南部での2カ月に及ぶ演奏ツアーに臨むピアニスト、ドン(マハーシャラ・アリ)と、彼の運転手兼ボディーガードのトニー(ヴィゴ・モーテンセン)の旅路を通し、人に宿りし善意と悪意、他者を理解することの難しさと価値をつづった作品です。

グリーンブックとは、1936~’66年までヴィクター・H・グリーンによって毎年出版されていた、黒人が利用可能な施設を載せた旅行ガイドブックのこと。

今を生きる僕たちなら、それがあり得ない代物だと理解できるが、その本がないと安心して各地を回ることのできない時代が確かにあった。映画はあくまでも男たちの関係性や友情が物語の中心であり、エゲツない描写は極力控えられてはいるものの、物語の節々で耐えがたい理不尽さが顔を出す。

タイトルに込められた意味を、時代は違えど同じ人間の歴史を描いていることをかみ締めながら本作に向き合って頂きたい。

他者を理解するということは、相手の良い部分にも悪い部分にも触れるということ。自分を理解してもらうということは、自分の良い部分も悪い部分もさらけ出せるということ。