アカデミー賞発表直前!注目すべきノミネート監督&俳優を総まとめ!<ザテレビジョンシネマ部>

2020/02/04 07:00 配信

映画

第91回アカデミー賞授賞式より Todd Wawrychuk / (C)A.M.P.A.S.


2月9日(現地時間)に迫った第92回アカデミー賞の発表を前に、主要5部門にノミネートされた監督&俳優の中で、映画アドバイザー・ミヤザキタケルが特に注目する人物の魅力や過去作についてご紹介!

監督賞:サム・メンデス 『1917 命をかけた伝令』


第77回ゴールデン・グローブ賞監督賞を受賞し、アカデミー賞受賞が有力視されている英演劇界出身の巨匠サム・メンデス

スティーヴン・スピルバーグにその才能を早々に認められ、映画監督デビュー作となる『アメリカン・ビューティー(‘99)』(2月8日[土]午後2:15 WOWOWシネマほか)は、弱冠34歳にして第72回アカデミー賞で監督賞を受賞するなど全5部門を制覇。英国王室から大英帝国勲章を与えられている。

近年では『007』シリーズも手掛けていたため、映画好きの方であれば、一度はその名を耳にしたことがあるだろう。

『アメリカン・ビューティー』(c) 2019 DREAMWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


だからこそ知ってほしい。『1917 命をかけた伝令』(‘19)や近年の『007』シリーズも素晴らしいのだが、それらの作品が生み出されるまでに数々の名作が存在したことを。

壊れゆく家族の姿を描く『アメリカン・ビューティー』に始まり、マフィアの世界を舞台に父子の絆をつづる『ロード・トゥ・パーディション』(‘02)、湾岸戦争時における海兵隊員の回顧録を映画化した『ジャーヘッド』(‘05)、擦れ違っていく夫婦の悲劇『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(‘08)、将来を見据え生き方を模索していく男女の姿を捉えた『お家をさがそう』(‘09)など、僕たちが生きるこの現実を、普遍的な人間関係の在り方を、誰もが抱き得る葛藤を描き続けてきたサム・メンデス

そこにこそ彼の魅力が宿っているのだということを知ってほしい。意外にも監督作品は8本と少ないので、ぜひとも全作制覇していただきたい。

主演男優賞:ホアキン・フェニックス『ジョーカー』


こんなにも彼から目が離せなくなったのはいつからだろう。『容疑者、ホアキン・フェニックス』(‘10)を経て、『ザ・マスター』(‘12)で完全なるカムバックを果たして以来、演じているうちに精神に異常を来してもおかしくないであろう複雑な役柄が多く、作品を目にすれば全身全霊で役作りに臨んでいる姿勢がおのずと伝わってくる。