実際の少年犯罪に着想を得た内藤瑛亮監督の問題作!「もういじめの傍観者ではいられないと思います」

2020/02/06 12:00 配信

映画

内藤瑛亮監督による自主制作映画「許された子どもたち」のキービジュアルが完成した(C)2020「許された子どもたち」製作委員会


内藤瑛亮監督の8年ぶりとなる自主制作映画「許された子どもたち」が、5月9日(土)から東京・ユーロスペース他で全国順次公開されることが決定。キービジュアルが完成し、主演の上村侑と内藤監督がメッセージを送った。

見る者の価値観や倫理観を激しく揺さぶる


【写真を見る】実際に起きた少年事件に着想を得た問題作!(C)2020「許された子どもたち」製作委員会


許された子どもたち」は、1993年に起きた「山形マット死事件」や、2015年の「川崎市中1男子生徒殺害事件」といった、実際に起きた複数の少年事件に着想を得たオリジナル作品。

「先生を流産させる会」(2012年)、「ライチ☆光クラブ」(2016年)、「ミスミソウ」(2018年)など、その衝撃的な内容で物議を醸してきた内藤監督が、8年の歳月をかけて構想し、自主映画として完成させなくてはならなかった問題作。

制作に当たり、内藤監督は10代の出演者を対象にワークショップを開催し、少年犯罪や贖罪の在り様について、共に考えを巡らせた。

撮影は2017年の夏から冬、2018年春と長期間にわたって実施。季節による風景の変化や役者の成長を取り込み、作品に豊かな広がりを加えていった。

いじめや少年事件という社会問題を通じて、現代に蔓延する生きづらさを鋭く切り取った本作。見る者の価値観や倫理観を、激しく揺さぶる内容となっている。

子どもは罪をどう受け止め、生きていくのか?


映画「許された子どもたち」場面カット(C)2020「許された子どもたち」製作委員会


物語の舞台は、とある地方都市。中学1年生で不良少年グループのリーダー・市川絆星は、同級生の倉持樹を日常的にいじめていた。

いじめはエスカレートしていき、絆星は樹を殺してしまう。警察に犯行を自供する絆星だったが、息子の無罪を信じる母親の真理の説得によって否認に転じる。

そして、少年審判は無罪に相当する「不処分」を決定。絆星は自由を得るが、決定に対し世間から激しいバッシングが巻き起こる。そんな中、樹の家族は民事訴訟により、絆星ら不良少年グループの罪を問うことを決意する。

罪を犯したにもかかわらず許されてしまった子どもは、その罪をどう受け止め、生きていくのか。大人は罪を許された子どもと、どう向き合うのか…。

今回、そんな衝撃作のキービジュアルが完成。「あなたの子どもが人を殺したらどうしますか?」というキャッチコピーのとおり、“決して他人事ではない”“あなたも当事者になる”という問題提起を打ち出したものとなっている。