──捧げますね~。
小沢「海外の人、すぐ捧ぐのよ。アカデミー賞でも、『まず感謝したいのは、旦那の○○』って、スキあらば捧ぐ(笑)。毎回、それぞれの受賞者が何人にも捧げてるから、これまでの91回で何百人もの人が捧げられてる計算になるよね」
──相当な数です、たぶん。
小沢「あとアメリカとかイギリスの良いところは、ああいう授賞式のようなかしこまった場所でも、権威とか権力を茶化すような笑いを入れられるじゃん。日本だと、大抵の場合『ちゃんとした場なんだから、そういうこと言っちゃダメよ』って言われちゃう。ちゃんとした場で言うからこそ、一番の“緊張と緩和”が生まれてウケるのに。だから、そこは海外をうらやましいと思うよね」
──観客もそれを受け入れてるから、ちゃんとウケますよね。
小沢「そう。ああいう空気が、すごくいいよね。あれがまさにエンターテインメントで。日本がこれからエンターテインメント大国を目指したいなら、まずそこの気質を変えなきゃいけないかもしれないね」
──ちなみに小沢さんは、こういうスピーチは得意ですか?
小沢「俺はね、めちゃくちゃ苦手なのよ。忘年会とか何かの打ち上げとかで挨拶しなきゃいけない時でも、まあ、(相方の井戸田)潤に任せるね(笑)」
──小沢さんも得意そうですけどね。
小沢「ダメなんだよね。ただ、前に一度だけ、自分で『いいスピーチできたな』って思ったことがあって。事務所の後輩の女の子の結婚式だったんだけど、予定がなかったのに、その場で急にスピーチを頼まれちゃって。その時したスピーチが、俺が人生で一番気に入ってるスピーチだね」
──どんなスピーチだったんですか?
小沢「結婚式のスピーチなのに、第一声が『子供の頃、ザ・ブルーハーツが好きでした』から始まるのね(笑)」
──なんか、ちょっとアカデミー賞授賞式っぽいじゃないですか。
小沢「でしょ? なんも用意してなかったから、すげえ短いんだけどさ。『子供の頃、ザ・ブルーハーツが好きでした。子供の頃、ダウンタウンが好きでした。ザ・ブルーハーツを見て、バンドやりたいなと思いました。ダウンタウンを見て、お笑いやりたいなと思いました。で、お笑いをやるんですけど、今日の結婚式を見て、俺、結婚したいなって思ったから、今日の結婚式は良かったんじゃない?』って、それで終わり」
──すげえ、シャレたスピーチ! 小沢さん、スピーチ大得意じゃないですか!
小沢「最初に『はぁ?』と思わせて惹きつけるっていう、俺のズルいやり口だから(笑)。ただ、このスピーチは、その後の二次会とかでも、色んな人からめちゃくちゃ褒められたよね」
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