1月24日には、企画審査を担当した崔洋一氏、森達也氏、星野博美氏も参加しての完成披露試写会が行われた。
制作を担当した沖縄テレビ・山里孫存(まごあり)ディレクターは、「アメリカ占領下の沖縄に民主主義、デモクラシーがあったのか、今の沖縄に民主主義があるのかと問いかける番組作りを目指した」と制作に込めた思いを明かした。
山里ディレクターが同番組を提案したきっかけは、SNSで目にした高校時代の仲間の投稿。「父は『サンマ裁判』の裁判官」という文言を目にして、「サンマ裁判」を調べ始めた。
「最初は裁判官を主人公に描こうと考えましたが、調べていくうちに、玉城ウシというおばぁが裁判を起こしたと分かり、『ウシ』が『サンマ』を訴えたという面白さを強く感じたので、玉城ウシ探しから取材に入りました」と語った。
その玉城ウシさんに関する資料は乏しかったようで、試写会に出席していた審査員らからは、「使用されている写真も少なく、苦労されたのでしょう。それでもウシさんのことをもっと見たかった」と感想があがった。番組には那覇市の牧志公設市場で働く人々や、ウシさんの妹の孫のコメントは盛り込まれている。
噺家をナビゲーターに起用し、全体を落語テイストで進行させた試みについて「まるで落語のような、今から考えると不思議なアメリカ統治下の沖縄を、面白く映像にしたかった」と山里ディレクター。
「今回、『サンマデモクラシー』という番組で、沖縄にこういう時代があったことを伝えられるのは制作者としてありがたい。たくさんの人に届いてほしいと思っています」と締めくくった。
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