<植田真梨恵>“ほぼ初披露”のレア曲など全25曲を熱唱! 圧倒的な歌声で魅了

2020/02/10 06:05 配信

音楽

「エモーショナル」という言葉は彼女のためにあるのではないだろうか。

植田真梨恵


若者がよく使う“エモい”の最上級の言葉として、“真梨恵モい”という言葉を作った方がいいんじゃないかというくらい、ピッタリとハマる。もちろん、褒め言葉だ。(分かりにくい)

そんなことを考えながら、粉雪舞い散りそうな肌寒い有楽町、元は映画館だった音楽ホールを後にした。「愛に保証なんかいらない」と口ずさみながら。

感情型シンガーソングライター・植田真梨恵が、2月9日に東京・ヒューリックホールにて「植田真梨恵 LIVE of LAZWARD PIANO “Academic!”」を開催。三度の飯よりラズワルドピアノが好きなザテレビジョンが同ライブに潜入し、主観に満ちたライブリポートを送る。

愛が伝わっていたのか、いつもライブに誘ってくれるプロモーション担当から「たまにはライブリポではなくお客さんとして来てください」とご配慮いただき、前日まではお客さんとしてのんびり見ていようと思っていたが、予習で見た「Live of Lazward Piano -凍てついた星座-」大阪市中央公会堂公演のBlu-rayで心変わり。

「おまえの仕事は何だ?」と画面越しに植田に怒られたような気がして(被害妄想)、ヒューリックホールに着くころには“推し事”ならぬお仕事モード。

そんな血気盛んなおじさんのハートを鎮めるかのように、ホール内には淡々とピアノ音が鳴り響く。「まあ落ち着け」と言われているかのような心地よい時間の後、幕が開くとピアニスト・西村広文の手が静かに走り出す。

植田の曲ではない、どこかで聞いたことがある旋律が。ショパンのいわゆる「別れの曲」だ。西村のピアノ独奏から入り、おもむろに現れた植田のボーカルがそれにプラスされ、ショパンの名曲に植田ならではのオリジナル歌詞が付き、2人にしかできない「別れの曲」がここに響き渡る。

1曲目から圧倒されたかのように、曲が終わってもしばし観客は拍手することすら憚られるほど。一呼吸おいて大きな拍手が沸き起こり、今度はそれを収めるかのごとく2曲目「スメル」につながる。

恐らく意図していないとは思うが、どことなく、特に間奏で西村が奏でるピアノにショパン風のアレンジが加えられていたような錯覚を覚え、1曲目との親和性に勝手に興奮していると、カラフルな照明が会場の気分を高めていく。