CBGKシブゲキ!!の劇空間いっぱいに広がるカラフルな公園のセット。
ジャングルジム、滑り台、ブランコ、砂場…、冬の夜の公園で、一つの缶コーヒーで手を温めながら「世界一、好き!」と屈託なく語り合い、歌い、二人だけの空想世界を楽しんでいる少年少女。
物語は、夜のかわいらしいデートのシーンから始まる。 少女はこなこ(深井/上西※Wキャスト)、少年はユキユキ(森下/土屋※Wキャスト)という。
中学生になるこなこは、夜の仕事をしながら女手一つでこなこを育てる母(森下/土屋)と二人で生活している。
仕事帰り、夜の公園で酔いを覚ました母は自宅に帰り、すでに眠った娘の寝顔をいとおしそうに見つめ語り掛ける。
子どもを抱え一人生きていく寂しさとやるせなさを感じながらも、娘のために頑張ろうとするけなげな母の姿がそこにはあった。
一見ドライに見えるこなこも、働く母の背中を見ながら母を求める寂しさをのぞかせる。母一人、娘一人の日常がリアルな会話で描き出される。
一方、場面はユキユキの幼少時代に遡る。ユキユキの母(深井/上西)は、まだ乳離れしようとしないユキユキを公園で遊ばせながらいろいろな話をする。それは観客それぞれの思い出の中にも、ふとよぎるような遠い過去の情景。
公園という場所が、時に語らいの所となり、空想の遊び場となり、酔い覚ましの場所となり、子どもと過ごす場所となる。
舞台上、セットチェンジはなく、2人のキャストはセットと好対照なシックな衣装をまとい、衣装替えもない。
そのシンプルな設定の中、観客の目の前で、時間や空間がめくるめく移り変わりを遂げながら、2人の男女の子ども時代から熟年期までの半生がリアルに描かれる。
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